Copilotで3つのAIモードを使い分けて仕事をより迅速に

日経XTECH / 4/15/2026

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Key Points

  • Microsoft 365 Copilot Chatでは、仕事の進め方に合わせて「自動」「クイック応答」「Think Deeper」の3モードを選択でき、GPT-5系で動作する。
  • 「自動」は複雑さをCopilotが判断して最適な応答速度に寄せ、「クイック応答」はメール下書きや要約など短時間作業に向き、「Think Deeper」は複雑な分析や戦略立案で丁寧に考える。
  • 書籍執筆時点(2025年12月)では「GPT-5.2 クイック応答」「GPT-5.2 Think Deeper」も利用可能で、特に理由がなければ性能向上版(GPT-5.2)の利用が推奨される。
  • 実務では、朝のメール要約のような定型・軽作業はクイック応答、四半期の売上分析のような要因整理や改善策提案はThink Deeperが適し、モード選択が速度と質に直結する。
  • 重要判断はAIの誤り可能性を前提に必ず人間が検証する必要がある。

 Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365アプリと深く統合され、文書作成、データ分析、コミュニケーションといった日常業務をAIの支援で効率的に行えるように設計されている。書籍『Microsoft 365 Copilot活用大全』(日経BP)ではその使いこなし方を65のレッスンに分けて詳細に解説しているが、本特集ではそのうち5つを抜粋した。

 第3回は仕事の進め方に合わせたモードの選択について。Microsoft 365 Copilot Chatでは、画面右上のドロップダウンメニューから3つのモードを選択できる。「自動」「クイック応答」「Think Deeper」だ。これらはGPT-5(従来モデル)で動作する。

 書籍執筆時点(2025年12月)では、「More」メニューから「GPT-5.2 クイック応答」「GPT-5.2 Think Deeper」も選択可能になった。特に理由がなければ、性能が向上したGPT-5.2の利用を推奨する。このモードの使い分けが、仕事の速度と質を左右するからだ。

※GPT-5.2は、OpenAI社が2025年12月11日にリリースした最新モデル。専門業務の精度向上、画像解析の改善、長文理解の向上など、GPT-5から大幅に性能が向上している。[1]

1 3つのモードの違い

 「自動」は、Copilotが質問内容の複雑さを自動判断する。簡単な質問には素早く答え、複雑な問題には時間をかける。何も考えずに使える初期設定だ。

 「クイック応答」は、スピード重視。メールの下書きや文章の要約、簡単な質問への回答など、深い分析が不要な作業に向いており、数秒で答えが返ってくる。

 「Think Deeper」は、時間をかけて丁寧に思考する。複雑なデータ分析や戦略立案、多角的な検討が必要な業務で力を発揮する。[2]

【3つのモードの比較】
(出所:書籍『Microsoft 365 Copilot活用大全』)
【3つのモードの比較】
(出所:書籍『Microsoft 365 Copilot活用大全』)
(出所:書籍『Microsoft 365 Copilot活用大全』)
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2 実務での使い分け

 例えば、朝のメールチェックで「このメールを3行で要約して」と頼むなら、クイック応答が良い。要約に深い思考は不要で、待ち時間も短縮できる。

 一方、四半期の売上データ分析で「前年同期比で売上が減少している理由を、地域別・商品別に分析し、改善策を3つ提案してほしい」という依頼なら、Think Deeperに切り替えると良いだろう。AIは段階的にデータを検証し、因果関係を整理し、実現可能性の高い提案をまとめる。もちろん、AIの回答が常に正確とは限らないため、重要な判断は必ず人間が検証する必要がある。

 このように、どのモードを選ぶかはタスクの性質による。定型的なメール作成や簡単な文章の下書きならクイック応答、複雑な分析や戦略立案ならThink Deeperという具合だ。ただし、同じ業務でも状況次第でモードを変えるべき場合もある。

【業務シーン別のモード活用例】
(出所:書籍『Microsoft 365 Copilot活用大全』)
【業務シーン別のモード活用例】

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3 自動モードでの指示文テクニック

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