【後編:マイナビ×JP CAST】『マイナビAI Pencil』&「デジタル発券機」の提供で目指すサポートのカタチ

note / 2026/4/24

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要点

  • マイナビとJP CASTが『マイナビAI Pencil』および「デジタル発券機」を提供し、利用者・現場の業務をどう支援するかという“サポートのカタチ”を提示している。
  • 採用・運用などの現場での活用を前提に、AI活用とデジタル機器/導線の組み合わせによって作業負荷や体験品質の改善を狙う方針が示されている。
  • 後編として、製品・サービス提供に至る背景や意図に加えて、どのようなニーズに応える設計思想かが語られている。
  • 単体のAI導入ではなく、デジタル発券機のような周辺業務と連携することで、より包括的なサポートを実現する方向性が焦点になっている。
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【後編:マイナビ×JP CAST】『マイナビAI Pencil』&「デジタル発券機」の提供で目指すサポートのカタチ

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株式会社マイナビ

就職・転職・アルバイトなどの人材サービスや、ニュースメディアをはじめとした生活情報サイトの運営など多岐にわたる事業を展開するマイナビと、郵便・物流、貯金、保険などのサービスを通じてお客さまと地域を支える共創プラットフォームを目指す日本郵政グループ

事業のベクトルは異なるものの、どちらもデジタル戦略に注力していることから、コラボ企画が実現しました。

第1弾でフォーカスしたのは、日本郵便で開発した「デジタル発券機」とマイナビが開発した『マイナビAI Pencil』。

前半では、その概要や目的についてうかがいました。本記事は、それに続く後半です。

開発において苦労した点や、今後の展開、デジタルで目指したい未来について、それぞれの立場から語り合っていただきました。

【前編】こちら


プロフィール

山田 祥平(やまだ しょうへい)
日本郵政株式会社 DX戦略部 マネージャー
日本郵便株式会社 DX戦略部 係長


2012年、新卒で株式会社ゆうちょ銀行に入社。
店舗での勤務や本社財務部などで経験を積んだ後、2025年7月より日本郵政株式会社に出向と同時に日本郵便株式会社と株式会社JPデジタルを兼務。
郵便局に設置しているデジタル発券機の開発マネジメントを担当している。


安藤 将晃(あんどう まさあき)
株式会社マイナビ ライフキャリア事業本部 
ライフキャリアプロダクト部門統括 ライフキャリアセグメント推進統括部 戦略1部 部長

2008年、新卒で株式会社マイナビに入社。
営業職を経て、2013年にWeb系職種へキャリアチェンジし、リニューアルや新規機能開発、サービス運営などを幅広く経験。
2018年からは『マイナビ転職』のサイト運営部門にて、サービスリニューアルやプロダクト開発、業務改善に向けたシステム開発を担当。
現在は事業部横断の取り組みを推進している。

実店舗だからこそできる「郵便局の挑戦」

安藤(マイナビ):デジタル発券機の導入はどのように進めているのですか?

山田さん(日本郵便)以下、敬称略:導入は2023年度ですが、2025年9月にこれまでと別端末の導入を行いました。
その際は、事前にテストを厚く行い、出てきた不具合は完全に解決する。
その上で、実際の郵便局で試行を期し、フィードバックをいただいたものを改修して、全国の郵便局へ展開するという流れでした。

安藤(マイナビ):実際の郵便局で検証できる環境があるのは強いですね。

山田(日本郵便):協力していただけてありがたいなと思っています。
検証で起きた問題を解消した後に他の郵便局への展開準備を行い、しばらくして改めて訪れたとき、「結構使いやすいね」「こうやって使ってみたんだよ」と、郵便局の社員が自分たちなりの使い方を見つけてくれていました。自分が開発・推進したものが評価される瞬間はやっぱり嬉しいですね。

安藤(マイナビ):実際に使ってくれる人と直接コミュニケーションをとれると、よりやりがいが感じられそうですね。その後の運用についてはいかがですか?

山田(日本郵便):新機能の追加やインフラ更新など、基本的に月1回のペースでより使いやすくするためのアップデートを実施しています。
ところが、そこに郵便局から不具合の連絡が入ると、他の郵便局で影響が出る可能性があるので最優先で対応しなければなりません。
一方で、機能向上のための開発スケジュールも止めるわけにもいきません。優先度の再設定と、関係者との調整が、マネジメント面で一番大変なところですね。

安藤(マイナビ):1つの郵便局で起きた不具合って、他の郵便局でも同じことが起きる可能性が高いんですか?

山田(日本郵便):基本的にはそう考えています。
郵便局によって扱う手続きや使い方が少し違うので、完全に同一ではありませんが、同じ操作をすれば同じ結果が出るはずです。
1つの郵便局から報告があれば、原因を調査して、改修方針をチーム内で調整して進めます。

安藤(マイナビ):毎月リリースしながら不具合にも対応するって、相当なスケジュール管理が必要ですね。

山田(日本郵便):そうなんです。
基本的な使い方での動作確認を軸にしつつ、想定外の操作で出てきた不具合にも都度対応しています。

グローバルモデルの進化で一度は危機に

山田(日本郵便):『マイナビAI Pencil』の開発スタートはいつ頃だったんですか?

安藤(マイナビ): 発想自体は2022年4月頃で、2022年10月頃から株式会社ELYZAと実際に形にしていく中で、流暢性や正確性の面で、マイナビとして求める水準にどう引き上げるかを大きなテーマに、検証と改善を重ねながらモデル開発を進めていきました。

安藤(マイナビ): 四苦八苦しながら精度を上げていき、2023年10月に一定のレベルに達したのでGoサインが出たのですが、グローバルモデルがどんどん進化して、従来の単純な対話プログラムの性能を上回る状況になっていきました。そこで、開発を一度ストップして仕切りなおすことになったのです。

山田(日本郵便):一回ストップしてやり直しというのは相当つらいですね……。

安藤(マイナビ):そうなんですよ。
ただ、ELIZAモデルで積み上げた研究の土台をグローバルモデルで活用する形で切り替えたことで、結果的にはより高品質なものをリリースすることができました。
そのかいあって、利用者数はリリース以来順調に推移しています。
今後はキャリアを重ねた方向けの展開も考えていきたいですね。

山田(日本郵便):キャリアを重ねた方には、また違う悩みがあるんですよね。

安藤(マイナビ):仰る通りです。
キャリアの浅い方は「何を書いていいかわからない」ですが、経験を積んだ方は「やってきたことが多すぎてまとめられない」という悩みに変わっていく。
このグラデーションに合わせて、それぞれに寄り添う形が実現できれば、マイナビのパーパスである「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」につながると思っています。


デジタル発券機のこれから——アバター接客という近未来

山田(日本郵便):デジタル発券機は現在529局に導入していますが、導入効果が見込める郵便局を精査しながら拡大していく予定です。
細かいところでは、来局されるお客さまが多い郵便局の発券機に入れているロール紙の交換頻度が高いので、整理券を短くして、社員の作業とコストの削減につなげるといった改善も進めています。

安藤(マイナビ):地味ですが、郵便局にとっては大事な改善ですね。発券機以外のDX施策も動いているんですか?

山田(日本郵便):アバター技術を活用した遠隔での接客を検証中です。
例えば私が話すと、VTuberのようにリアルタイム女性の声に変換されてキャラクターが動き、接客することができるんです。

安藤(マイナビ):それはすごい!まさに近未来ですね。

山田(日本郵便):アプリ、発券機、アバターといったDXをつなげていくことで、地域ごとの状況に応じた利便性向上に貢献していきたい。
郵便局というリアルの場だからこそ、デジタルとの掛け合わせで生まれる価値があると思っています。

安藤(マイナビ):今日のお話を振り返ってみると、やはり郵便局はユーザーとのリアルな接点があるというのが、本当に強みですね。
郵便局ごとに提供する価値が変わっていく時代に、デジタルを掛け合わせることで各郵便局の色が出てきて、地域に根ざした新しいサービスが生まれていくのかなとワクワクしながら話を聞いていました。

山田(日本郵便):『マイナビ AI Pencil』も、ユーザーの課題をひも解いていき、それをデジタルの力で解決するという姿勢にとても共感できました。
変化のスピードが速い分野だからこそ大変なことも多いですが、それを乗り越えて作ったサービスがユーザーに届き、便利さを実感していただけるのは、デジタルの仕事の醍醐味ですよね。

安藤(マイナビ):本当にそうですね。
お互い、まだまだやれることがたくさんありそうです。ぜひまた情報交換しましょう!

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