通信機器を10台置けるまとまったスペースと、機器の発熱に対応できるだけの空調能力がある場所を教えて──。施設管理の専門知識がなくても、チャットでこのように問いかけるだけで必要な情報を得られるシステムの開発を、NTTドコモとNTTファシリティーズ(東京・港)が進めている。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルに蓄積した建物に関するデータを、AI(人工知能)を介して自然言語で引き出し、施設管理のDX(デジタルトランスフォーメーション)に役立てる。専門知識が無くても容易に施設情報を引き出せるようになれば、深刻化する人手不足の解消などに一役買いそうだ。
開発の背景には、BIMソフトの操作が難しく、せっかくのデータを有効活用できていないという問題意識がある。BIMデータには室の名称や面積、部材の寸法や仕様、設備の性能といった情報が含まれるが、閲覧に専用ソフトが必要だったり、操作スキルの習得に時間が必要だったりするため、施設管理の現場ではあまり活用されていなかった。
両社はユースケースの開発に向け、2026年4月中旬から現場での実証実験を開始した。26年9月までを予定する。対象は、NTTドコモが所有する設備更新の頻度が高い7つのビルで、順次増やす予定だ。管理業務の工数削減効果や回答の精度などを実務者からのフィードバックを得ながら検証する。
「図面が行方不明になり、情報収集に時間を要したり、状況を確認するためにわざわざ現地に赴いたりすることは、ざらにある。BIMデータから情報を引き出せるようになれば、改修工事のための調査などが大幅に楽になる」と、NTTファシリティーズサービス推進部FIMセンタの窪田将希データオペレーション担当課長は期待を込める。
AIが高速かつ正確に回答できるようにするための工夫は大きく2つ。
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