トヨタ車体富士松工場、構内運搬車を10年越しでレベル4自動運転化

日経XTECH / 2026/4/5

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要点

  • トヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)で、建屋間の仕掛品運搬を無人化する取り組みが10年越しに進み、2025年春に運用を開始した。
  • 同社は無人搬送車の導入にあたり、安全性、屋外走行耐性(天候・気温・悪路)、けん引能力1トン以上かつ8時間連続稼働、経路の柔軟変更、運行状況モニタと異常即時把握の5基準を設定して適合システムを探した。
  • しかしその5基準に合うシステムが見つからず長期間課題が解消できなかったが、最終的にeve autonomyのシステム導入に至ったことが「eve auto world 2026」で示された。
  • 導入車両は、特定条件下で完全無人運転が可能なレベル4級の自動運転車両と同種であり、付随作業として扱われがちな構内物流の省人化・付加価値転換が狙いとみられる。

 工場の建屋間で仕掛品などを運ぶためにフォークリフトなどを走らせる作業は、それ自体が付加価値を生まない一方、なくしたいのになくせない“付随作業”に分類される。トヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)は10年越しで建屋間運搬の無人化を試みていたところ、2025年春に至って運用を開始した。2026年3月18日に、無人搬送車のシステムを提供したeve autonomy(イヴオートノミー、静岡県磐田市)が開催したイベント「eve auto world 2026」で明らかにした。

構内の建屋間運搬に導入した、特定条件下で完全無人運転のレベル4の自動運転車と同種の車両(写真:eve autonomy)
構内の建屋間運搬に導入した、特定条件下で完全無人運転のレベル4の自動運転車と同種の車両(写真:eve autonomy)
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5つの判断基準で選別

 トヨタ車体は無人搬送車の導入に当たって、5つの判断基準を設けていた。(1)安全性について社内基準をクリアできること(2)屋外を走行できて天候や気温の変化、多少の悪路にも耐えること(3)けん引能力1トン以上で8時間連続稼働できること(4)走行経路を柔軟に変更できること(5)運行状況をモニターできて異常発生がすぐ分かること、である。この判断基準に合うシステムを探したが、10年間見つからずに「困り果てていた」(トヨタ車体組立部組立物流課工長の西浦亨氏)。

トヨタ車体組立部組立物流課工長の西浦亨氏(写真:日経クロステック)
トヨタ車体組立部組立物流課工長の西浦亨氏(写真:日経クロステック)
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