AIチップをめぐる波乱の展開:Metaが「何百万台」規模でAmazonのAI CPUを採用する契約を締結

TechCrunch / 2026/4/24

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要点

  • Metaは、AWSの発表によると拡大するAIワークロードを支えるために、何百万台規模のAWS Graviton(ARMベース)のCPUを利用する契約を締結した。
  • 記事では、巨大モデルの学習ではGPUが一般的に選ばれる一方で、「AIエージェント」向けの新しい負荷が必要な計算資源の種類を変えつつあり、AI向けに最適化されたCPUが重要になる流れを指摘している。
  • AWSは、最新世代のGravitonがAIの計算需要に合わせて設計されていると位置づけ、学習後の推論やエージェント型の処理に焦点を当てている。
  • この契約は、Metaのクラウド支出がGoogle Cloudなどの競合からAWSに戻る形となり、財務面でも競争面でもAWSにとっての勝ちだと論じられている。
  • さらに、Googleの独自AIチップ発表など競合の動きや業界イベントのタイミングとの関係から、AI向けハードウェアを軸にしたクラウド基盤競争が激化していることが示唆されている。

Amazonは、またしてもAmazon自身が自社開発したチップのおかげで、Metaと大きな勝利を収めた。Amazonは金曜、Metaが成長を続けるAIニーズを賄うために、数百万枚のAWS Gravitonチップを使う契約を結んだと発表した。

なお、AWS GravitonはARMベースのCPU(汎用的な計算タスクを処理するチップである中央処理装置)であり、GPU(グラフィックス処理装置)ではない。

GPUは大型モデルの学習において依然として第一選択のチップだ。しかし、それらのモデルが学習を終えると、その上に構築されたAIエージェントが、必要とされるチップの種類の在り方を変えつつある。エージェントは、リアルタイム推論、コードの作成、検索、そして複数ステップのタスクを通してエージェントを管理する際に伴う調整といった、計算集約型のワークロードを生み出す。AWSの最新バージョンのGravitonは、同社によれば、AI関連の計算ニーズに特化して設計されたという。

この契約により、Metaの現金がGoogle Cloudのような競合ではなく、より多くAWSに戻ることになる。昨年8月、MetaはGoogle Cloudと6年・総額100億ドルの契約を結んだが、それまでMetaは主にAWSの顧客であり、同時にMicrosoft Azureも利用していた。

この契約の発表が、Google Cloud Nextの会期が終わったのとほぼ同時期に設定されたことに、私たちは思わず目を引かれた。クラウド対抗相手に向けたバーチャルなニヤリとでもいうように。もちろんGoogleも自社のカスタムAIチップを作っており、同ショーでそれらの新バージョンを発表した。

確かにAmazonは、自社のAI GPUも作っている。Trainiumだが、名前に反して学習と推論の両方に使われる。推論とは、モデルが学習を終えた後に行われ、プロンプトを能動的に処理する段階のことだ。

しかしAnthropicは、今月に発表された取引ですでに割り込んできて、そうしたチップの多くを今後何年も独占的に押さえた。Claudeを手がける同社は、AWSで自社のワークロードを動かすために、今後10年間で総額1000億ドルを投じることを約束し、その中でも特にTrainiumに重点を置くとした。一方Amazonは、見返りとしてAnthropicにさらに50億ドルを投資することを合意した(投資総額は130億ドル)。

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結局のところ、Metaの契約はAmazonにとって、自社製CPUの実力を示す“実績”として大きなAI顧客をアピールできるようにするものだ。これらは、Nvidiaの新しいVera CPUと競合するチップで、こちらもARMベースで、AIエージェント向けのワークロードを扱えるように設計されている。もちろん違いがあるのは、Nvidiaが自社のチップやAIシステムをエンタープライズ企業やクラウドプロバイダーに販売しているのに対し、AWSはクラウドサービスを通じて自社のチップへのアクセスのみを販売している点だ。

今月初めにAmazonのCEOアンディ・ジャシーは、年次の株主レターの中でNvidiaとIntelを狙い撃ちし、AIについて企業はより良い価格性能比を求めていると述べ、その前提で取引を勝ち取りにいくつもりだと語った。つまり、Amazonの社内のチップ開発チームに対するプレッシャーはこれ以上ないほど高いということでもある。そのチームは、私たちが先月、同社のラボを特別に見学した際に取材している。