Google「TurboQuant」でメモリー需要は減らず、AI普及の起爆剤に

日経XTECH / 2026/4/20

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要点

  • Googleのデータ圧縮技術「TurboQuant」は、AI推論で必要なKVキャッシュ(メモリー領域)を精度を保ったまま大幅に削減できるとされる
  • 生成AI普及でメモリーがボトルネック化し、従来の「メモリー需要は青天井」という見方に対して、TurboQuantが需要抑制要因になる可能性が論じられている
  • TurboQuantの普及見通しはメモリーメーカーの株価下落など、市場の見方に変化を与えた
  • 一方で記事筆者は、圧縮による効率化はむしろAI利用拡大を通じて“新たな需要”を生み、メモリー需要を押し上げる可能性があるとして反対意見を提示している
グーグルのデータ圧縮技術がメモリーメーカーの株価に打撃を与えた(出所:マイクロン・テクノロジー)
グーグルのデータ圧縮技術がメモリーメーカーの株価に打撃を与えた(出所:マイクロン・テクノロジー)
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 AI(人工知能)ブームとともに広がっていた「半導体メモリー需要は青天井」という見方に疑問符が付いた。きっかけは、米Google(グーグル)のデータ圧縮技術「TurboQuant(ターボクアント)」だ。今後、普及すると見られているAIの推論処理において必要なメモリー量を削減できるからである。

 近年はメモリーの重要性が一段と高まっている。生成AIが普及したことで、演算用半導体よりもメモリーにデータを出し入れする速さやメモリー容量がボトルネックになりつつある。その一つが「KVキャッシュ」と呼ぶメモリー領域である。

 TurboQuantは、情報の精度を保ちつつ、必要とするKVキャッシュの容量を大幅に減らせる。その結果、メモリー需要は今後それほど増えないのではないかという見方が広がり、メモリーメーカーの株価が一時大きく下がった。

 記者はこの見方に反対だ。むしろ、TurboQuantのようなデータ圧縮技術によってメモリー需要が拡大すると考えている。

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効率化は新たな需要を生む

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