「対応せざるを得ない」、Anthropicの「Mythos」に身構える日本の金融業界

日経XTECH / 2026/4/13

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要点

  • AnthropicのLLM「Claude Mythos」がゼロデイ脆弱性を数千件発見・悪用できるほどの能力に到達したとして、日本の金融機関は悪用リスクに警戒を強めている。
  • 日本の金融機関がITベンダーの多重下請け構造に依存する開発体制であることが、Mythosのような高性能AIを用いた攻撃に対して不利に働く可能性がある。
  • Mythosは悪用回避のため一般公開を控え、参加企業に対して防御目的に限り利用を認める「Project Glasswing」枠組みで提供されている。
  • Project GlasswingにはAWS、Apple、Google、Microsoft、NVIDIAなどが名を連ね、金融側ではJPモルガン・チェースが参加している。
  • JPモルガン・チェースのCEOは、AIによりサイバーリスクが一層深刻化する可能性を示し、自社防御のための投資を継続する方針を表明した。

 米Anthropic(アンソロピック)がこのほど発表した大規模言語モデル(LLM)の「Claude Mythos(クロード・ミトス)」に日本の金融業界が身構えている。日本の金融機関はITベンダーの多重下請け構造に頼ったシステム開発体制を敷く。Mythosのような高性能AI(人工知能)を悪用した攻撃が、そうした開発体制に対し不利に働く可能性がある。

 「何らかの対応はせざるを得ないだろう」。メガバンクの幹部はMythosに対する対応について、日経クロステックにこう語った。

 Mythosはアンソロピックが2026年4月7日(米国時間)に発表したLLMだ。「ゼロデイ」という未知の脆弱性を数千件発見しており、主要なOSやWebブラウザーに含まれるものもあるとする。同社は「ソフトウエアの脆弱性を発見・悪用する能力が、最も熟練した人を除いて、全ての人を上回るレベルに達した」と主張する。

 サイバー攻撃に悪用される事態を回避するため、アンソロピックはMythosの一般公開を控えている。「Project Glasswing(プロジェクト・グラスウイング)」と呼ぶサイバーセキュリティーに関するプロジェクトを立ち上げ、この取り組みに参加する企業だけに「防御」の目的に限ってMythosの使用を認める。

 Project Glasswingには、アンソロピックのほか、Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)やApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、NVIDIA(エヌビディア)といった米国の主要なテクノロジー企業が名を連ねている。米金融業界からは、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)が参加した。

 JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)は2026年4月6日に公開した株主宛ての年次書簡で「サイバーセキュリティーは依然として我々の最大のリスクの1つであり、AIによってさらに深刻化することはほぼ確実だ。我々は、自らを守るため、そして警戒を怠らないために、多額の投資を行っている」とコメント。AIの脅威に対応する決意を表明していた。

Project Glasswingに参画する組織
Project Glasswingに参画する組織
(出所:米Anthropicの発表資料を基に日経クロステック作成)
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「これまでの常識を見直す必要性」

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