この記事の3つのポイント
- 富士通は独自CPU「MONAKA」シリーズでAI市場開拓を狙う
- 国産スパコン「富岳NEXT」への搭載をその足掛かりとする
- 富士通副社長のマハジャン氏「ソブリンAIへのニーズが大きい」
富士通はAI(人工知能)市場の開拓に向けた次期CPU(中央演算処理装置)の開発に乗り出した。理化学研究所と開発するスーパーコンピューター「富岳NEXT」に搭載するが、AIサーバー分野の世界の顧客にも売り込む。1.4nm(ナノメートル)世代技術や3次元実装技術を盛り込み、Rapidus(ラピダス、東京・千代田)への生産委託を優先的に検討する。半導体とAIの両輪で日本の産業競争力を高める。
「先代の富岳に取り組んだ意義は大きい。富岳の技術をベースに開発したHPC(高性能コンピューティング)製品は、日本だけでなく海外でも売れている」。富士通副社長CTO(最高技術責任者)のヴィヴェック・マハジャン氏は、同社がスパコン開発に携わる意義を強調する。
独自CPU「FUJITSU-MONAKA(モナカ)」シリーズを強みに、ソブリン(主権)AIなどの市場を開拓する。機密性を重視する防衛や製造、ヘルスケア、金融などの分野に向けて、セキュリティーにも配慮したAIインフラを提供する。MONAKAシリーズではAI機能の強化と省電力性を両立し、AIサーバー分野の世界の顧客に高速・低消費電力のCPUを提供する。
富岳NEXTに搭載するCPU「FUJITSU-MONAKA-X(モナカエックス)」では、1.4nm(ナノメートル)世代のプロセス技術や、複数の半導体チップ(チップレット)の3次元実装などの最先端技術をふんだんに盛り込む。トランジスタを非常に低い電圧で安定に動作させる超低電圧動作技術も独自の強みだ。
英Arm(アーム)のアーキテクチャーを基に、世界でも米Intel(インテル)などごく限られた企業にしか開発できないAIサーバー向け高性能CPUを実現する。まずは富岳NEXTに供給するが、富士通はそれにとどめるつもりは毛頭ない。
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