フィジカルAIさらに拡充の「ハノーバーメッセ」、防衛エリア新設も

日経XTECH / 2026/4/16

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要点

  • ハノーバーメッセ2026は、AIを理論から現場の実践アプリケーションへ移すことを最大の焦点に掲げ、注目展示として「フィジカルAI」「エージェンティックAI」を強化する。
  • 2025年は生成AIの製造業活用が中心だったが、2026年はデータ分析中心から、物理世界で状況判断して行動するフィジカルAIへ用途がさらに広がる見通し。
  • フィジカルAIの目玉であるヒューマノイド(人型ロボット)の展示は、2025年の集客目的中心から、現場導入を意識した実デモに比重が移りそうだ。
  • 労働力不足や多品種少量生産への対応需要が、ロボットを含む自動化投資の背中を押している。
  • 2026年には初導入の「防衛生産エリア(Defense Production Area)」を新設し、地政学リスクの高まりも背景に防衛領域の関心を取り込む。

 世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE 2026(ハノーバーメッセ)」が、2026年4月20日からドイツ・ハノーバー国際見本市会場で始まる。今年の注目展示はAI(人工知能)技術を物理世界に実装する「フィジカルAI」、自律的に連携する「エージェンティックAI」の台頭、そして2026年に初めて導入される「防衛生産エリア(Defense Production Area)」の設置だ。

報道関係者向けの事前会見で、主催者は2026年の最大の焦点はAIを理論から現場の実践的なアプリケーションへと移行させる点にあると強調した(写真:Deutsche Messe)
報道関係者向けの事前会見で、主催者は2026年の最大の焦点はAIを理論から現場の実践的なアプリケーションへと移行させる点にあると強調した(写真:Deutsche Messe)
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「フィジカルAI」が急拡大

 ここ数年、AI活用はハノーバーメッセで展示の中心となっていた。しかしそれはあくまでコンピューター内に閉じた話だった。

 例えば2025年ハノーバーメッセで目立ったのは、製造業における生成AIの活用だった。チャットボットの延長線上にとどまっていたAI活用から、ロボット制御のプログラミングを自動化するといった用途にも応用が広がっていた。

 2026年はさらに踏み込んで、データ分析を中心としたAI活用から、物理世界で自ら状況を判断し行動するフィジカルAIへの移行が進む。

 中でもフィジカルAIの主戦場とも言える人型ロボット(ヒューマノイド)の展示増加は著しい。2025年もその存在は目立っていたが、ブースへの集客目的での人寄せパンダ的な展示が中心だった。それに対し2026年は、現場への導入を強く意識したデモンストレーションが増えそうだ。背景には、労働力不足と多品種少量生産に対応する自動化への需要の高まりがある。

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地政学リスクの高まり受け防衛生産エリア新設

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