人型ロボットは建設業で使えるか、建設RXコンソーシアム・村上会長に聞く

日経XTECH / 2026/3/25

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要点

  • 建設RXコンソーシアムは、建設ロボットや遠隔操縦技術の開発・普及を進めるスーパーゼネコン5社の枠組みで、人型ロボット(ヒューマノイド)にも可能性はあるが建設現場では導入検討が十分でないと述べた。
  • 村上氏は「人型である必要性」を問うべきだとし、建設現場の不安定さや用途に対しては、脚を4本以上持つ安定型など別形状の方が合理的になり得るという見方を示した。
  • サービス業のように人と直接触れ合う場面では親しみやすさなどからメリットが出やすい一方、建設現場ではその必要性が相対的に低いという整理を行った。
  • 人型左官ロボットの検討経験を例に、職人動作の“再現そのもの”よりも「壁をきれいに仕上げる」など目的達成に直結する形(役割を絞った単機能ロボット)を選ぶべきだと説明した。
  • ヒューマノイドに対する「何でもこなす」期待は現在は到達しておらず、建設用途ではあえて万能型を目指すより実用性重視の設計思想で開発を進める方針を示した。

スーパーゼネコン5社が幹事を務める建設RXコンソーシアム(東京・江東)では、生産性向上に役立つ建設ロボットや遠隔操縦技術などの開発・普及に挑んでいる。米国や中国を中心に開発が加速する人型ロボット(ヒューマノイド)の可能性や、これまで開発してきた単機能ロボットの課題などを、同コンソーシアムの会長を務める竹中工務店の村上陸太専務執行役員に聞いた。(聞き手は山﨑 颯汰)

建設RXコンソーシアムの会長を務める竹中工務店の村上陸太専務執行役員(写真:山田 愼二)
建設RXコンソーシアムの会長を務める竹中工務店の村上陸太専務執行役員(写真:山田 愼二)
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近年、注目が高まるヒューマノイドは建設業でも使えるでしょうか。

 正直なところ、建設分野ではまだ導入に向けた検討は十分に進んでいません。そもそも人型である必要があるのか、という議論の段階です。

 例えば、大工は釘を口にくわえて作業しますが、あれは片手でボードを押さえ、もう一方の手で金づちを使って作業するためであって、もし腕が3本以上あれば、その必要はないはずです。足元が不安定な建設現場では、脚が4本あるロボットの方が安定するでしょう。

人型である理由を明確にしなければいけませんね。

 サービス業のように、人間とじかに触れ合うような現場であれば、ヒューマノイドの方が親しみやすく、導入のメリットはありそうです。ただ、建設現場ではその必要はあまりないと思いますね。

 以前、人型の左官ロボットの開発を検討したことがありました。その際に参考にしたのは、お好み焼きを調理する人型ロボットです。左官のコテさばきと、お好み焼きをひっくり返す動きがどこか似ているように見えませんか。

 それで、開発を担当していた人に話を聞いてみると、「あのロボットはあくまで集客・宣伝用。実際にお好み焼きを焼くことだけを考えるなら、コストが合わないので人型にはしない」と言うのです。なるほどと思いました。

 同じことが、左官ロボットにも言えます。本当に職人の動きをそのまま再現する必要があるのか。もし目的が「壁をきれいに仕上げること」であれば、それを実現できる形のロボットを考えればいいはずです。

 ヒューマノイドというと、どうしても鉄腕アトムのような「何でもこなせるロボット」を思い浮かべてしまいがちですが、今のところそのレベルには達していません。なので、建設現場のロボットをあえて人型にする必要はないと思っています。役割を絞った単機能ロボットの方が実用的でしょう。建設RXコンソーシアムではこうした考えの下で開発を進めています。

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