ルネサス、初の双方向GaNスイッチ AIデータセンターや太陽光発電狙う

日経XTECH / 2026/4/16

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要点

  • ルネサスエレクトロニクスが同社初の双方向GaNスイッチ「TP65B110HRU」を発売・量産開始し、AIデータセンター電源や太陽光発電用マイクロインバーター等を狙う。
  • Transphormの「SuperGaN」技術を用い、高耐圧ノーマリーオンGaNと低耐圧ノーマリーオフSi MOSFETを直列のカスコード構造にしてノーマリーオフGaNのように扱える設計とした。
  • 1素子で正負両方向のDC遮断が可能で、従来のバック・トゥ・バック2個構成から回路簡素化・小型化・高効率化(マイクロインバーターで変換効率97.5%超)につながる。
  • 仕様は連続ピーク定格±650V(AC/DC)、過渡±800V、オン抵抗110mΩ(25℃標準)などで、標準ゲートドライバーで駆動でき、TOLTパッケージで封止している。
  • IEEE APEC 2026(2026年3月)に出展し、次世代のパワーエレクトロニクス向け製品展開を見据えたアピールを行う。

 ルネサスエレクトロニクスは同社初となる双方向のGaN(窒化ガリウム)スイッチを発売し、量産を始めた。耐圧は650Vで、AI(人工知能)データセンターの電源や、太陽光発電向けマイクロインバーター、車載オンボードチャージャーなどを狙う(図1)。


図1 耐圧650Vの双方向GaNスイッチ「TP65B110HRU」と応用先のイメージ(出所:ルネサスエレクトロニクス)
図1 耐圧650Vの双方向GaNスイッチ「TP65B110HRU」と応用先のイメージ(出所:ルネサスエレクトロニクス)
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 新製品「TP65B110HRU」は2024年6月に買収した米Transphorm(トランスフォーム)の技術「SuperGaN」を使って開発した。高耐圧のノーマリーオンGaNと低耐圧のノーマリーオフSi(シリコン)MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を直列接続したカスコード構造を採るため、ノーマリーオフGaNのように扱える。加えて、パワーMOSFET向けの標準的なゲートドライバーで駆動できる。



 DC(直流)遮断機能を備えることも特徴で、新製品1つで正負両方向の電流を遮断できる。バック・トゥー・バック構成で2個のパワーMOSFETを使っていた回路を新製品1つで置き換えられ、回路設計の簡素化や回路全体の小型化、高効率化につながる。太陽光発電向けマイクロインバーターに適用した場合、97.5%を超える電力変換効率が得られることを確認した。


 連続ピーク定格電圧は±650V(AC/DC)、過渡定格電圧は±800Vである。静電気放電(ESD)耐量は2kV(HBM/CDM)、オン抵抗は110mΩ(+25℃の標準値)。ゲートしきい値電圧は3V(標準値)、dv/dt耐量は100V/ns超で、上面冷却(TOLT)パッケージに封止している(図2)。


図2 TP65B110HRUのパッケージ表面(左)、裏面(中央)、内部の回路(右)である(出所:ルネサスエレクトロニクス)
図2 TP65B110HRUのパッケージ表面(左)、裏面(中央)、内部の回路(右)である(出所:ルネサスエレクトロニクス)
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 ルネサスはこの双方向GaNスイッチをパワーエレクトロニクス分野の国際会議/展示会「IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition(APEC 2026)」(2026年3月22~26日、米テキサス州サンアントニオ)に出展した。


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