アクセンチュアとSAPがERP導入で協業、中堅以下の未開拓顧客へAI訴求

日経XTECH / 2026/4/25

📰 ニュースDeveloper Stack & InfrastructureSignals & Early TrendsIndustry & Market Moves

要点

  • アクセンチュアとSAPジャパンが、AI活用を前提とするERP導入支援に向けて戦略提携を強化し、中堅・中小の未開拓顧客への販路拡大を狙うと発表した。
  • 中核はSAPのERP「S/4HANA」パブリッククラウド版の導入で、会計・販売・購買など複数領域を同時刷新するビッグバン型かつフルモジュール導入を目指す。
  • ERPに蓄積されるデータを基盤にAI活用を促進し、S/4HANAの年2回バージョンアップを通じてAI機能実装やデータ基盤など周辺クラウドサービスも整備する。
  • 構築は1年前後、コストも抑えられる想定で、導入後はカスタマーサクセス型の「SAP Cloud ERP専任チーム」を共同で設立して運用定着と業務高度化を支援する。
  • ターゲットは売上高数百億〜数千億円規模で、SAP未利用企業やM&A前の中堅中小などを想定し、提携はグローバルクラウド移行支援プログラム「ADVANCE」の一環として位置づけられている。

 アクセンチュアとSAPジャパンは2026年4月24日、AI(人工知能)活用を前提とするERP(統合基幹業務システム)の導入支援に向け、戦略提携の強化を発表した。ERPをAI関連技術を素早く実装するための基盤と位置づけ、これまで開拓できていなかった中堅・中小市場に販路を広げる。

 両社はSAPのERP「S/4HANA」のパブリッククラウド版導入をプロジェクトの中核に据える。会計や販売、購買など複数の業務システムを同時に刷新する「ビッグバン」型を前提に、フルモジュールでの導入を目指す。

 ビッグバン導入の狙いは、ERPに蓄積するデータを基にしたAI活用を促進することにある。S/4HANAのパブリッククラウド版は年2回バージョンアップを実施する。AI関連の新機能を実装するほか、AI活用のためのデータ基盤といった周辺領域のクラウドサービスも整備する。

 構築期間は1年前後を想定し、コストも抑えられるという。アクセンチュアの渡邊将樹デジタルコアSAPビジネスインテグレーショングループ日本統括は、「ERPを短期間で導入できるため、ユーザー企業はAIを始めとした技術の進歩に追従できるようになる」と説明する。

左からアクセンチュアの渡邊将樹デジタルコアSAPビジネスインテグレーショングループ日本統括、SAPジャパンの小泉和久常務執行役員カスタマーサービス&デリバリー事業本部事業本部長
左からアクセンチュアの渡邊将樹デジタルコアSAPビジネスインテグレーショングループ日本統括、SAPジャパンの小泉和久常務執行役員カスタマーサービス&デリバリー事業本部事業本部長
(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 導入後の価値創出を重視する「カスタマーサクセス」型のサービスも強化する。両社はカスタマーサクセス全般を担う「SAP Cloud ERP専任チーム」を共同で設立した。運用定着やAI活用による業務高度化を支援する体制を整備する。

 想定する顧客ターゲットの企業規模は売上高が数百億円から数千億円規模という。具体的には、SAPの製品・サービスを利用していない数千億円規模の企業、M&A(買収・合併)で大企業になる前の数百億円規模の中堅中小企業などだ。

 アクセンチュアの渡邊日本統括は「幅広い企業規模に導入していきたい」と説明する。SAPジャパンの小泉和久常務執行役員カスタマーサービス&デリバリー事業本部事業本部長は、「これまで当社がリーチできていなかった顧客層をターゲットにしたい」と強調する。

 これらの発表は、両社が2025年に発表した高成長を目指す企業向けクラウド移行支援のグローバルプログラム「ADVANCE」の一環だ。ADVANCEは年商50億米ドル(約8000億円)を目指す高成長企業向けのサービスとする。

次のページ

1年前からパブリッククラウド領域にシフト

この記事は有料会員限定です