スマホでポチポチ? 「寝ている間に完成」は本当か。AIだけでWEBサービスを作ってみてわかったこと
こんにちは、芽芽斗 守(めめと・まもる)です。
前回のnoteで『冒頭収集館』をご紹介させていただいた際
こんなことをお伝えしていました。
「いつか、このWebサービスの開発の裏側なども書いていきたい」
今見返すと少々あやしいタイトルだったにもかかわらず、 20以上のスキをいただけました。
素直に嬉しいです。
ですので今回は予告通り、その話をさせてください。
最近、Xやnoteのタイムラインを眺めていると、ある種の言葉が目に飛び込んできます。
「AIで完全フルオートで100万円」
「外出先からスマホをポチポチするだけ」
「寝ている間にプロダクトが完成」
見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
先日公開した『冒頭収集館』も、
コードは一行も書かずにAIだけで作りました。
だからこそ、まだ熱が冷めないうちに
実際に手を動かして感じたことをそのまま書いておきたいと思います。
結論から言うと、AI開発は「スマホでポチポチ」で終わるような魔法ではありませんでした(笑)。
それどころか想像以上に、プロダクトを作るための前提知識が必要だと感じました。
もちろんプロダクトの規模にもよるとは思いますが、
こういうリアルなアウトプットはあまり見かけない気がしますね🤔
📝企画の立ち上がりから「AIチーム」の編成まで
『冒頭収集館』の出発点は、私が個人的に「読みたい」と思ったことです。
小説の冒頭を推敲する際に参考にしたいジャンルの作品をAmazonのサンプルページで読んでいたのですが
いちいち開くのが面倒でした。
「そういうアプリがあればいいのに」と思っても、
普通に作れば版権の問題にぶつかります。
「そうだ、版権フリーの青空文庫のAPIからデータを引っぱってくればいい」
そのアイデアが頭の中で形になった瞬間、企画は動き出しました。
そこから各AIに役割を振って開発を進めました。
私のチームの編成はこうです。
🔍 Gemini リサーチ、API仕様の検証、長いソースコードの読解
⚙️ Claude 実際のコード作成、プロトタイプの構築
🎨 ChatGPT デザインの方向性の提示、生成物の品質チェック
Claudeにプロトタイプを作ってもらい、
Claude・ChatGPTとUI/UXの観点から徹底的に壁打ちをする。
出来上がったものをGeminiにコードレビューさせ、
フィードバックをClaudeに返してのラリーを繰り返す。
このプロセスを回しているとき、ふと気づきました。
これ、どこかでやったことがあるぞ、と。
👨🏻💻AI開発は、「PM業務」なのではないか
前回の記事でも少し触れましたが、私はこれまで15年以上Webサービスに向き合い、直近の数年間はプロジェクトマネージャー(PM)として働いてきました。
PMの仕事とは何か。
会社によって役割は変わると思いますが、私がいた場所では
上から降ってきたミッションをこなしつつ、担当プロダクトの数値を見ながら企画を立て、調査・試算し、ときに(としておきましょう・笑)
えらい人に根回しをして承認をもらう。
要件定義書を書き、デザイナーやエンジニアを集めてキックオフし、
壁打ちを繰り返しながら数ヶ月かけてリリースまで持っていく仕事です。
今回の開発でAIたちと対峙して、思いました。
これは私が会社でやっていたPMの業務です。

私のもとには今、コードを書くエンジニア(Claude)がいて、
リサーチャー兼コードレビュアー(Gemini)がいて、
デザイナー兼チェッカー(ChatGPT)がいます。
よく見るMac Studio+複数モニターのガチ環境ではなく、一台の古いMacBook Proだけでがんばっています💪
私は彼らに要件を定義し、アウトプットに対してUI/UXや法務的観点から壁打ちをして、品質を管理しているだけです。
唯一の違いは、一人親方ですから
「上への根回し」と「社内調整」が一切不要なこと。
人間関係の摩擦や承認フローをゼロにして、
純粋なディレクションと意思決定だけに集中できる。
作ってすぐ出せるスピード感は圧倒的ですが、
やっていることはゴリゴリのPM業務そのものでした。
😴「寝ている間に完成」はポジショントーク? AIを使って感じたリアル
だからこそ、あくまで私の所感ですが……
「寝ている間に完成」は少しポジショントークかなと思ってしまいます。
(もちろんプロダクト規模にもよりますが)。
はっきり言って、AIは平気で嘘をつきますしサボります(笑)。
6歳の子供がゲーム中に「あと5分でやめる」と言うのを信じるくらいの疑い深さで、ちょうどいいかもしれません。
実際使ってみて感じたのは、プロトタイプとしてスモールスタートを切り、とにかく弾を撃ち続けるための「攻めのリソース」としてはとても強いということ。
ただ「守り」はまだ非常に弱い気がします。
チャットを長く使い続けるとログが溜まって動作が重くなり、途中で明らかに精度が落ちる。
しかもタチが悪いことに、精度が落ちたことを適当な言葉で誤魔化そうとします。
最終的な手触りの良し悪しや「徹底的に複雑なメニューを省く」といったUI/UXの判断は、人間の目で見ないとわかりません。
逆に言えば、その「品質を担保する判断基準」さえ持っていれば、AIはとてつもない武器になると思いました。
あくまでも私が利用した環境での話ですし、
半年もすればこの弱点すら克服されているかもしれませんが(笑)。
👨👩👦稼げない今の期間を、どう使うか
『冒頭収集館』には広告も収益化の仕組みも一切入れていません。
私はこの3月末で会社を完全に離れ、現在は回復するまで傷病手当をいただいている身です。制度上、収益化はNGです。
では、なぜ作るのか。
リハビリも兼ねていますが、少なくとも来年1月に起業するまでの間は、
GIVERでありたいと思っているからです。
AIの力を掛け合わせて「自分が本気で欲しいと思ったもの」を形にし、
誰かの暇つぶしや何かの役に立てればそれでいい。
そうやって作ったものが、来年1月に私がレールを降りて動き出すとき
「あの時ちょっと面白かったから、応援してやるか」
と手を貸していただける関係につながれば嬉しいです。
それまでは、空いた時間は春休みに入った6歳の息子に「遊んでもらい」ながら、自分が面白いと思うものを淡々と作っていきます。
さて、いつまで遊んでもらえるのでしょうか。
小学校を卒業する頃には、声をかけてはもらえないかもしれませんね。
遊んで「あげる」ではなく、遊んで「もらう」。
その一言で、深さがまるで変わる気がしています。
意図せず始まったキャリアブレイクですが、
この時期にしか気づけなかったことが、まだまだたくさんありそうです。
冒頭収集館は私が欲しかったものを作りましたが、第二弾は妻が欲しかったものを作っています。近いうちに皆さんにご紹介できるのを楽しみにしています。
【動作環境】
iPhone / iPad:Safari(推奨)、
Chrome Android:Chrome(推奨)
PC:Chrome / Safari / Edge(最新版)
※ Internet Explorerは非対応です。
※ PWA対応ブラウザではホーム画面に追加してアプリとして使えます。


