大手IT企業マネジャー44歳、ソフトハウスへの転職は失敗だったと悔やむ

日経XTECH / 2026/3/25

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要点

  • 44歳で大手IT企業を退職し、小規模ソフトハウスへキャリア採用で転職したが、契約途中にもかかわらず給与減額の意向を社長から伝えられた。

Q.新卒入社から勤務していた大手IT企業を44歳で退職しました。退職時の役職はマネジャーでした。失業手当の受給後に、キャリア採用による小規模のソフトハウスに入社して半年になります。最初の1年間は契約社員で、問題がなければ正社員に登用されます。契約途中なのに、社長からは「期待外れだった、給与を下げたい」と言われました。

 社長は私に小規模案件の進捗管理とプレーヤーの役割を期待していたようです。前職よりプレーヤー的な役割の深さと範囲が広すぎ、自分のスキルとはミスマッチを感じています。前の会社のほうがよかったと後悔しています。社長自らの採用面接を経て入社していますので、今さら給与減額だと文句を言わないでほしいです。

 もともと大手IT企業のマネジャーだった質問者にとっては、その企業での役割分担やシステム開発の手法が正しいモノサシになっているようです。残念ながら、この考え方は間違っています。

 大手IT企業は、要員とスキルが豊富です。部門やプロジェクトチーム内でスキルを補完できるので、各開発フェーズに必要な技術力や経験値はマネジャーには不要です。

 例えば、筆者の知人にはプログラミング経験のほとんどないエンジニアはたくさんいます。筆者もその1人でした。プログラミングは、基本的にパートナー会社への発注だったからです。

 大手IT企業におけるシステム開発では、パートナー会社を利用しないプロジェクトはほぼないといえます。自社エンジニア対応を前提とした顧客への見積価格よりも、低い単金での発注なので利益は増えます。

 自分に足りないスキルは、他のメンバーに補ってもらえば済みます。前職における質問者の役割は、進捗管理や社内マネジメントだったようです。当然、技術スキルは枯れています。

 ところが、質問者が転職した小規模のソフトハウスでは、これまでの作業分担は通用しません。大手IT企業と比べると、要員・資金・設備を含めた開発体制、システム開発の規模や範囲が全く違います。

 小規模のソフトハウスになればなるほど、分業化できるエンジニアは少なくなります。社長は、質問者にマネジャーとプレーヤーを兼ねるスキルを期待していたのでしょう。これは、質問者自身が感じているように、明らかなミスマッチ採用です。

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キャリア採用におけるミスマッチの責任は

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