IT大手4社トップが語るSaaSの死、富士通「現状固執では成長できない」

日経XTECH / 2026/5/14

📰 ニュースSignals & Early TrendsIdeas & Deep AnalysisIndustry & Market Moves

要点

  • AIエージェントの進化(生成AIの急速な進展)を背景に「SaaSの死」が改めて注目され、IT大手4社の決算会見で関連発言が相次いだ。
  • 富士通は、SaaSに代わる技術の進化が事実だと認めつつ、AIに向き合って顧客の業務や成長を支えるソリューション開発を進める方針を示した。
  • 富士通は「従来のアプリやアーキテクチャに固執しては成長できない」として、自己変革の必要性を強調した。
  • NECはDXオファリング「BluStellar」等へのAIの追い風を語り、アンソロピックとの戦略的協業がその理由の一つだと説明して、事業拡大に結びつける姿勢を見せた。

 AI(人工知能)がSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を代替する「SaaSの死」論が今、改めて注目を集めている。米Anthropic(アンソロピック)の「Claude Cowork」をはじめとするAIエージェントの急速な進化を受けたものだ。IT大手4社が2026年4月下旬~5月上旬に開いた決算会見では、各社の経営陣から「SaaSの死」に関連する発言が相次いだ。

 富士通の時田隆仁社長CEO(最高経営責任者)はまず「SaaSに代わる技術が急速に進化を遂げていることは紛れもない事実だ」との現状認識を示した。その上で「AIの進化にしっかりと向き合い、顧客の業務や成長を支えるソリューションを開発していく」と意欲を見せた。

 さらに「今までのアプリケーションやアーキテクチャーに固執していては成長は見込めない」とも強調。AIなど最新技術を積極的に取り入れて自己変革につなげる姿勢を鮮明にした。

 足元で「SaaSの死」論が活性化した背景には生成AIの急速な進化がある。IT大手各社のトップの発言からは、こうした動きを奇貨として事業拡大を図りたいとの期待もにじみ出る。

 例えばNECの森田隆之社長兼CEOは、DX(デジタル変革)ブランド「BluStellar(ブルーステラ)」などオファリングビジネスに対するAIの影響について「一言で言えば、大きなフォローの風が吹いている。マーケットも広がるし、AIの社会実装も加速するからだ」と語った。加えて「2026年4月に発表したアンソロピックとの戦略的協業の1つの理由でもある」と説明した。

次のページ

NTTデータグループの佐々木裕社長はAIの進化に...

この記事は有料会員限定です