エンジニアリング業務を自律実行、シーメンスが産業AIを新たな段階に

ITmedia AI+ / 2026/4/21

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要点

  • シーメンスは産業見本市ハノーバーメッセ2026で、実際のエンジニアリングシステム内で動作しタスクを計画・実行・検証までエンドツーエンドで自律実行する商用AI製品「Eigen Engineering Agent」を発表し、既に一般提供も開始した
  • Eigen Engineering Agentはプロジェクトの文脈や制約を理解して制御プログラム作成やシステム設定を行い、パフォーマンス基準が満たされるまで反復しながら誤りを修正してレビュー可能な状態に到達する
  • 既存の手作業ワークフローに比べて2〜5倍速の実行と、ソリューション品質の最大80%向上をシーメンスは見込むと説明しており、エンジニアがより上流のシステム課題に集中できるとする
  • TIA Portalに直接接続して既存プロセスとの統合を容易にし、19カ国で100以上のユーザーにパイロット導入済みである点が導入の現実性を示している

 産業用AI(人工知能)が、単なるアドバイスを超え、自律的にエンジニアリング業務を実行する新たな局面に入った。

 シーメンスは2026年4月20日(ドイツ時間)、ドイツ・ハノーバーで開催中の産業見本市「ハノーバーメッセ 2026」(2026年4月20~24日)において、実際のエンジニアリングシステム内で動作し、タスクの計画、実行、検証をエンドツーエンドで実行する新たなAI製品「Eigen Engineering Agent」を発表した。既に一般提供も開始していて、同社は「産業オートメーションのエンジニアリング業務を計画し、実行できる初の商用AIシステムの1つだ」としている。

Eigen Engineering Agent発表の様子 Eigen Engineering Agent発表の様子[クリックで拡大]

 会場で実施した記者会見に登壇した、シーメンス エグゼクティブ・バイスプレジデント兼データ・AI部門責任者を務めるヴァシ・フィロミン(Vasi Philomin)氏はEigen Engineering Agentについて「単に提案を生成するAIから、エンジニアリング作業をエンドツーエンドで実行するAIへの根本的な転換を実現するものだ」とし、その概要を語った。

プロジェクトの文脈や制約を完全に理解した上で動く

 Eigen Engineering Agentは、実際のエンジニアリングシステム内で動作し、「各プロジェクトの文脈や制約を完全に理解した上で動く」(フィロミン氏)ものだ。タスクの計画、実行、検証をエンドツーエンドで実行し、プロジェクト内容を理解して制御プログラムを記述し、システムを設定する。さらに、あらかじめ定義されたパフォーマンス基準が満たされるまで反復処理を自律的に行うという。

Eigen Engineering Agentのワークフローについて Eigen Engineering Agentのワークフローについて[クリックで拡大]

 フィロミン氏は「Eigen Engineering Agentは非常に複雑なタスクを分解し、ステップごとに実行しながら、自分自身のパフォーマンスを評価する。つまり、間違いがあるとそれを自ら認識して修正し、レビュー可能な状態になるまで作業を繰り返すのだ。これが単なるAIによる提案と、実際のシステムに組み込まれ顧客環境に最適化された自動化ロジックとの違いだ」と強調した。反復作業を自動化し、検証済みですぐに使用できる結果を提供することで、エンジニアはより影響力の大きいシステムレベルの課題に集中できるようになるとしている。

2~5倍速く作業を実行可能に、品質80%向上も

 同社によるとEigen Engineering Agent活用によって、エンジニアは手動で行っていた従来のワークフローと比べ、精度や信頼性を損なうことなく2~5倍速く作業を実行できるようになり、ソリューション全体の品質も最大80%向上できるという。フィロミン氏は「Eigen Engineering Agentは、各ユーザーの基準に合った自動化ロジックを提供することで、エンジニアがより複雑なプロジェクトに取り組み、それをより速く完了できるようにする」と語った。

 なお、Eigen Engineering Agentはシーメンスの統合型オートメーションエンジニアリングプラットフォーム「TIA Portal」に直接接続されており、ユーザーは既存のプロセスとの統合が容易だ。既に19カ国、100以上のユーザーにパイロット導入済みで、一般提供も開始しているという。

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