セイコーエプソンはプリンターで培ったインクジェット技術を生かし、半導体製造分野に参入する。人工知能(AI)半導体向けで需要が拡大している後工程(パッケージング工程)市場を開拓する。民間31社と共に出資したRapidus(ラピダス、東京・千代田)との連携も深め、半導体分野の商機を広げる狙いだ。
エプソンは2026年3月12日、ドイツの機械メーカーManz(マンツ)傘下の台湾・亜智科技(Manz Taiwan)と半導体製造分野で協業すると発表した。インクジェット技術を活用した半導体製造プロセスの開発で協力する。
「半導体後工程にインクジェット技術を適用し、アディティブ(additive)な手法で製造プロセスを革新したい」。エプソン取締役執行役員の吉野泰徳氏は同年3月13日、東京都内で開いた中期経営計画説明会で力を込めた。
亜智科技は大型ガラス基板を支持材にインターポーザー(中間基板)や再配線層などの後工程部材を効率よく製造する「パネル・レベル・パッケージ」向けの装置に強い。パネル・レベル・パッケージはAI半導体向けで需要が拡大しており、エプソンは関連部材をインクジェットで高速かつ省エネルギーで製造できるようにする狙いだ。こうしたノウハウを半導体製造装置メーカーなどへ提供する。
まずはエプソンがインクジェットヘッドを亜智科技の半導体製造装置向けに供給する。すでに亜智科技の研究開発センター(台湾・桃園市)に、インクジェットヘッドを活用するラボを立ち上げた。研究や評価目的にとどまらず、半導体の量産を見据えた生産規模に対応する設備を整える。エプソンはこのラボの運営を支援し、顧客企業による技術検証や量産準備も支える。
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