公正取引委員会は4月16日、生成AI市場の実態調査に関する報告書を公表した。スマートフォン端末の生成AIを使うアプリを開発しようとする企業に対し、基本ソフト(OS)を提供する企業がソフトウェアへのアクセスを制限すれば独禁法に抵触しかねないと示した。生成AIを利用した自動運転を巡っては、米中の大手企業などが国内企業との公正競争を阻害する懸念があると指摘した。
健全な競争環境の維持狙い
生成AIの市場規模は急速に拡大し、現在の6000億円程度から2029年には2兆円ほどに達する見込みだ。独禁法に違反するケースを紹介することで健全な競争環境の維持と発展を促す狙いがある。
報告書は、OS企業によるアクセス制限はアプリ開発の簡素化やセキュリティの確保を妨げ、競合企業の排除につながるとした。デジタルサービスで高いシェアを持つ企業が、自社のサービスと生成AIを統合して提供すると不当な「抱き合わせ販売」になる可能性があるとも説明した。
生成AIの活用が期待されている自動運転の市場実態についても整理した。この分野では米電気自動車(EV)大手Teslaや中国のスタートアップ企業などが技術開発に巨額の資金を投じ、官民を挙げて社会実装を実現している。公取委の担当者は「日本と比べて投資の規模が2桁違う」と指摘。報告書でも国内事業者と公正な競争ができているか、継続的な調査の必要性を訴えた。
米大手NVIDIA「一強」
報告書では、生成AI市場の市場構造についても分析した。高性能半導体分野では、米大手NVIDIAの一強で寡占状態にあるとした。一方、生成AIを活用した文章作成や画像生成などのサービス開発の分野では、国内企業でも特定用途に特化することなどで優位性を発揮できると評価した。
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