この記事の3つのポイント
- 日本の半導体設計者は過去20年間で激減。政府が人材育成強化へ
- 「伝説のエンジニア」ジム・ケラー氏率いるテンストレントが支援
- 半導体設計にAIが必須。「優秀な設計者は優れたプログラマー」とケラー氏
過去20年間で日本の半導体関連の従業員数は約3割減った。特に、ロジック半導体やDRAM、NANDフラッシュメモリー、イメージセンサーなどの開発、設計、製造などに携わる「集積回路製造業」の従業員数は、1999年の約15万人から2023年には約6万人まで激減した。日本の半導体産業の再興には、この状況に歯止めをかけて人材を確保する必要がある。
最先端半導体技術センター(LSTC)との協業を通じて、優秀な半導体人材を育てるべく名乗りを上げたのが、AI(人工知能)半導体開発を手掛けるスタートアップ企業、米Tenstorrent(テンストレント)だ。同社を率いるのは、かつて米AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)や米Apple(アップル)などでプロセッサーの設計・開発を手掛け、「伝説のエンジニア」とも称される最高経営責任者(CEO)のJim Keller(ジム・ケラー)氏だ。日本が直面する人材不足の現状に対して、「半導体設計者になることが非常に価値のある道だ、と若者に示すことが重要である」(同氏)と指摘する。
テンストレントはLSTCと共同で「最先端デジタルSoC設計人材育成」事業を経済産業省へ提案し、2024年11月に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が募集した委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択された。テンストレントは今後、半導体設計に携わる技術者や学生をインターンとして受け入れ、5年間で200人の設計人材を育成する計画だ。2025年4月には日本における設計支援や顧客開拓の拠点となる「日本デザインセンター」を東京都内に開所した。
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日の丸半導体の再興には「設計技術」が不可欠この記事は有料会員限定です






