この記事の3つのポイント
- AI新興・燈の野呂CEOが、三菱電機との協業について語った
- 開発したフィジカルAIを「2026年中にも工場で稼働」
- 中国勢には「安さでは勝負できない」と判断、勝ち筋を探る
東京大学発のAI(人工知能)スタートアップ、燈(あかり、東京・千代田)は三菱電機から50億円を調達し、企業評価額は1000億円を超えた。企業価値が10億ドル(約1500億円)以上の未上場企業「ユニコーン」の数は国内では1桁台にとどまるとの推計がある中で、燈が「ユニコーン予備軍」として存在感を高めている。
燈は2021年の創業以来、建設業や製造業向けに、現場の職人が持つ「暗黙知」(目や音での判断など)を形式知化する業界特化型AIを展開してきた。導入企業数は累計1000社を超えたという。今後は三菱電機との協業を通じて、現実世界に作用する「フィジカルAI」の開発と社会実装に乗り出す方針だ。
同社を率いる野呂侑希氏は、大学1年生で起業を経験した。AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊氏の研究所に入った。その理由について「AIの波が来ると見越した戦略的、打算的なものだった」と自己分析する。一方で、取材後の写真撮影では「偉そうに見えるから」と腕組みのポーズを断る等身大の一幕もあった。
「海外の巨大テック企業に匹敵する存在になる」――。そう語る野呂氏に、自社の技術的な強みと製造業の領域を中心とした今後の事業戦略について聞いた。
三菱電機からの50億円調達が大きな話題を呼んでいる。三菱電機がスタートアップにこの規模を出資するのは珍しい。
あらゆる事業セグメントの役員と密にコミュニケーションを取っているトップマネジメント案件だ。決裁権限者と直接連携できているため、スピーディーに進んでいる。
三菱電機との協業において、AIは現場のエッジ端末に実装されてリアルタイム制御まで担うのか。
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