「年間120万時間削減」 丸紅の生成AI活用が成果を出せる「4つの理由」

ITmedia AI+ / 2026/4/27

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要点

  • 丸紅はDXを目的化せず「事業成長のため」と位置付け、現場起点かつ内製志向で生成AIを含むDXを推進している。
  • グループ5万人超・多業種の多様な現場課題に対し、本社主導の一律ソリューションではなく、専門性と機動力を持つ「専門の事業会社」を設けて対応する。
  • 生成AI+OCRによる物流の受発注自動化や、チリの工場でのAI品質選別など、現場に深く入り込んでプロトタイプを短サイクルで改善するアジャイル運用が成果の核になっている。
  • 外部発注に頼らず現場と共に手を動かす内製が、世界中の課題を回収して解決するために不可欠だと説明している。

本記事の内容は、RX Japan(東京都中央区)が4月8~10日に開催した「Japan DX Week」内で実施されたセミナー「現場起点のDXを促す丸紅の仕組み作り ~グループ2万人の生成AI活用の実態~」の内容を要約したもの。


 多くの企業において、DX自体が目的になってしまう「DXの自己目的化」に陥りがちだ。なぜDXに取り組むのか。総合商社・丸紅の答えは「事業を成長させるため」と、とてもシンプルだ。

 同社は世界中に拠点を持ち、5万人以上のグループ従業員を抱える。情報、物流、食料、金属、エネルギーなど事業領域は多岐にわたり、現場ごとに抱える課題は異なる。

 これほど多様な現場を抱える組織において、本社が主導し一律のデジタルソリューションを提供することには限界がある。そこで同社が重視するのが「現場起点」かつ「内製志向」のDX推進だ。

 同社はDX推進のための部署を社内に設置するのではなく、高度な専門性を持ち、機動力に特化した「専門の事業会社」を設立した。さまざまなDX施策に取り組む中で見えてきたのは「事業成長の手段はデジタルに限らない」という、DXの先を見据えた知見だった。

地球の裏側の課題も「自分たち」で解決する

 ある時は国内の牧場、ある時は物流センター、またある時は、地球の裏側チリにある水産工場──。同社がビジネスを手掛ける多種多様な現場において、担当者が抱える「困りごと」の質は千差万別だ。

 これまでの数年間、同社は数多くの現場課題に向き合ってきた。例えば、国内の畜産業界に向けたデジタルマーケティングプラットフォーム「Beeco Program」の開発・運営。あるいは、新潟県の物流センターにおける生成AIとOCRを組み合わせた受発注業務の自動化。チリの工場でのAIによるウニの品質選別ソリューションの開発・導入などが挙げられる。

 これらの事例に共通するのは、現場に深く入り込み、吸い上げた課題に対して迅速にプロトタイプを作り、改善を繰り返すアジャイルな手法だ。同社バリュークリエーションオフィス所属の上西広弥氏は「何か特別なことをしているわけではなく、愚直にこうした作業を繰り返してきた」と話す。

beni 丸紅 バリュークリエーションオフィス所属 上西広弥氏(筆者撮影)

 世界中に散らばる課題を回収し、解決していくための社内リソースをためていく。そのためには「外部パートナーに発注するのではなく、現場とともに考え自ら手を動かす内製が不可欠だった」と上西氏は説明する。

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