AGCは、微小な柱(ナノピラー)を多数配置して光を制御する光学素子、メタレンズの製造技術を開発した(図1)。従来の光学レンズよりも薄いメタレンズを、さらに薄型化した。加工が難しい青色メタレンズを製造できるため、メタレンズが抱えてきた課題の1つが解決に近づいた。フルカラーのデバイスやAR(拡張現実)グラスなどを実現することにつながる。
同社先端基盤研究所機能化プロセス部シニアマネージャーの宇惠野章氏は、「我々は『青色光への対応』や『基板の薄型化』といった独自の技術開発を進めている。材料および加工技術の強みを生かし、様々な用途への展開を見据えている」と意気込みを語った(図2)。同氏はメタレンズにおける最先端の研究室の1つである米MIT(マサチューセッツ工科大学)のJuejun Hu(ジュエジュン・フー)研究室で、2022~2024年に機械学習を活用したメタレンズ設計の研究に従事した。
宇惠野氏は「アカデミア段階では成果が出ているメタレンズをどう社会実装するか。我々はウエハースケールの量産を見据えた検討を進めてきた」と述べる。同時に、AI(人工知能)を用いた設計の高速化も実現している。同氏は、「設計面で日本は後れを取っていると言われていたが、MITとの協業やAI技術を駆使して海外勢と同じレベルに並んだ」と語る。
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