人型ロボ、工場から飛び出しオフィスへ 「人が多い領域」の自動化を目指す

日経XTECH / 2026/5/1

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要点

  • 安川電機はフィジカルAIを軸に事業を拡大し、人型ロボット新興企業の買収や米国への巨額投資を通じてオフィスを含む「人が多い領域」の自動化を狙う。
  • フィジカルAIで最重視するのは、現場で計画通りに動けるかどうかであり、モーター/アクチュエーターやモーションコントロールに起因する精度が強みになる。
  • 人型ロボットのデモは進歩している一方で、自動化に必要な精度・速度はタスクごとに異なり、ずれ許容度(例:洗濯物は5mmでも許容、ねじ締めは致命的)が成否を分ける。
  • 日本はものづくりの良質な現場データを集めやすく、長年のロボット開発経験と組み合わせることで「必要な性能」を現実の現場に合わせて実現できるとする。
  • 技術的な見極めを前提に、人型ロボットを工場だけでなくより幅広い業務領域へ展開する方針が示された。

INTERVIEW
久保田由美恵氏
安川電機技術開発本部AIロボティクス統括部長/エイアイキューブ代表取締役社長

安川電機が、フィジカルAIを軸に事業を急拡大させようとしている。2025年には人型ロボットの新興企業を買収し、米国の新拠点に1億8000万米ドルの投資も発表した。フィジカルAIをどう活用するのか、人型ロボットへの業容拡大や米国に力を入れる狙いは何か。技術開発本部AIロボティクス統括部長の久保田由美恵氏に聞いた。

フィジカルAIの開発で、何を重要と考えるか。

 我々がフィジカルAIで、最も重要視していることは、「現場で計画通りに動けるかどうか」だ。安川電機の源流は、モーターやアクチュエーターと、それらを制御するモーションコントロールにある。ロボットの精度は、これらに左右されるため、持ち味を発揮できる。

 米国や中国の人型ロボットの技術は、確かに目を見張るものがある。跳ねたり踊ったりするだけでなく、実際に工場を想定した作業も実演し始めた。ただ、求められる自動化の精度は、領域ごとに異なる。

 例えば洗濯物を畳む作業や、部品に緩衝材を巻いて梱包する作業なら、5mmのずれの影響は小さい。一方、ものづくり現場のねじ締めで5mmずれたら、もはや作業にならない。必要な精度や速度はタスクごとに異なる。

 日本は、ものづくりに関する質の良いデータを収集しやすい環境だ。現場が求める精度や速度を1つずつ達成してきた知見と、ロボットを半世紀近く造り続けた経験は、フィジカルAIの開発で強みになるだろう。

「0. 1mmの精度」は必要か過剰か
「0. 1mmの精度」は必要か過剰か
フィジカルAIに求められる速度や精度などは、作業領域などタスクごとに見極めることが重要になると久保田由美恵氏は語る。(写真:飯山翔三)
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