質問する・要約する・翻訳する——ここまでは多くの人が AI でこなせるようになりました。次の段階は、AI をその場かぎりの道具から自分の仕事に合わせて設定した相棒へ変えることです。この記事では、設定・プロンプト設計・自動化までを含む10 のプロ級シーンを、2026 年に実際に使えるツールの名前とともに整理します。
FIG.1 プロ級活用の核心は「毎回の前置き」を「一度の設定」に置き換えること
01自分専用の AI を「設定」する
同じ前置き(「あなたは私の業務アシスタントで、文体は丁寧、専門は…」)を毎回書いていませんか。これは一度きりの設定で済みます。代表的な二つの仕組みは、ChatGPT の Custom GPT と Claude の Projects です。どちらもカスタム指示(実質的なシステムプロンプト)と参照させたい資料を保存しておけます。
| Claude Projects | ChatGPT Custom GPT |
|---|---|
| 指示はプレーンテキスト欄で直接編集。細かく制御しやすい | ウィザード形式で初心者がとっつきやすい |
| 知識欄に生テキストを貼り付けられる(ファイル化不要) | 資料はファイルでアップロードする方式 |
| 原則プライベート。チーム共有はプラン依存 | GPT ストアで公開・配布できる |
| 長文の読み込み・文章生成・曖昧さの処理が得意とされる | Web 閲覧・画像生成・コード実行などの内蔵ツールが豊富 |
どちらが上というより用途で選ぶのが正解です。自分の文体で長文を書かせたいなら Projects、人に配って使ってもらいたいなら Custom GPT、という具合に。なお料金プラン(無料枠・有料枠の上限)は頻繁に変わるため、最新の条件は各社の公式ページで確認してください。
02プロジェクト単位で「知識ベース」を持たせる
設定の中でも効果が大きいのが資料を持たせること。会議録・過去の決定事項・専門資料を一つの Project(または Custom GPT)に入れておけば、毎回貼り直す必要がなくなります。
使い方の例
「先月の定例で決まった方針を踏まえて、今週やるべきことを箇条書きで整理して。決定事項に反する案は除いて。」——資料を入れてあるので、この一言で文脈を共有済みの相手のように答えてくれます。
注意点として、AI は資料に書かれていないことを聞かれると、もっともらしく埋めてしまうこと(ハルシネーション)があります。重要な事実は「資料のどこに書いてあるか引用して」と添えて、一次情報で確かめる習慣をつけましょう。
03システムプロンプトで「役割」を固定する
「あなたは厳しめの戦略コンサルタントです。私の案の弱点を遠慮なく指摘して」——このような役割の指定を会話のたびに書くのではなく、設定(カスタム指示)に固定します。すると毎回、欲しいタイプの回答が安定して返ってきます。
批判役
「弱点とリスクを優先して挙げて」。賛同ではなく検証がほしいときに。
初心者の視点
「専門用語を使わず、たとえ話で説明して」。資料の下書きに。
体裁の固定
「結論→根拠→次の一手の順で、各200字以内」。出力の型を揃える。
04Few-shot で精度を一気に上げる
説明だけで指示するより、欲しい出力の見本を 2〜3 個先に見せるほうが、AI は形と狙いを正確につかみます。これを Few-shot(少数例)と呼びます。とくに「決まった書式で出してほしい」ときに効きます。



