NovelAI(ノベルエーアイ)は、小説・物語の執筆を共同で進めることに特化したサービスです。あなたが書いた文章の続きをAIが提案し、世界観やキャラクター設定を記憶しながら、作者と二人三脚で物語を膨らませていきます。汎用チャットAIと違い「テキストを書く」ことに振り切った道具で、設定の作り込みや表現の制御を細かく行えるのが持ち味です。本ガイドは、仕組み・使い方・つまずきどころを、図とともに初学者向けに整理します。
FIG.1 書く → AIが続きを出す → 作者が選び直す、の往復で物語が伸びる
大事な前提を最初に。NovelAIが出す文章はあくまで素材です。テーマを決め、構成を組み、文体を整え、世界に送り出す責任を負うのは作者です。AIは書く速度を上げますが、書く価値を生むのは人の判断です。
01NovelAIとは何か
NovelAIは2021年に登場した、物語生成に特化した有料サービスです。チャット形式で会話するのではなく、原稿の続きを書き進める「ストーリーテラー(Storyteller)」と、コマンドで世界を進める「テキストアドベンチャー(Text Adventure)」という2つの執筆モードを軸にしています。文章生成は専用に訓練された大規模言語モデルが担い、画像生成(アニメ調イラスト)の機能も別系統で持っています。本章ではテキスト生成を中心に扱います。
汎用チャットAIとの一番の違いは、「続きを書く」ための制御が細かいこと。次に挙げる温度(創造性)やサンプリングの調整、後述するLorebook(世界観メモ)など、長い物語を一貫して書き続けるための道具立てがそろっています。
02中身のモデル:KayraとErato
2026年時点でテキスト生成に使える主力モデルは2つです。どちらが使えるかは契約プランで変わります。
| Kayra(カイラ) | Erato(エラート) |
|---|---|
| NovelAIが独自に訓練した約130億パラメータのモデル | Metaの Llama 3 70B をベースに追加訓練した上位モデル(2024年9月公開) |
| 文脈(記憶できる長さ)は約8,192トークン | より高品質な生成。最上位プランのみ利用可 |
| 下位プランから利用できる標準モデル | 長い出力(1回あたりの文字数)も拡張される |
「トークン」は、AIが文章を区切って扱う単位です。文脈長が大きいほど、物語の前半で起きた出来事をAIが覚えていられます。ここが短いと、長編の途中で設定や伏線を忘れてしまいます(その対策が後述のLorebook)。
なお、ベースが大きいErato=必ず良い、とは限りません。短い掌編やテンポ重視ならKayraで十分なことも多く、まずは標準モデルで手触りを確かめるのが現実的です。
032つの執筆モード
NovelAIの使い心地は、選ぶモードで変わります。最初は「ストーリーテラー」から始めるのが扱いやすいです。
ストーリーテラー
自分で地の文を書き、続きをAIに出させて共同執筆する基本モード。小説・脚本向き。
テキストアドベンチャー
「〜する」「〜と言う」のコマンドで主人公を動かす、ゲームブック風の進め方。