Tome は、かつて「物語で見せる」ことに特化した AI プレゼン生成ツールとして急成長したサービスです。しかしプレゼン機能は 2025 年 4 月 30 日に提供を終了し、開発チームは営業支援 AI(Lightfield)へ事業転換しました。「Tome」というブランド名は別企業(AngelList)が取得し、現在は法律文書を要約する AI へと姿を変えています。この記事では、Tome が何だったのか、なぜ畳まれたのか、そこから初学者が学べる「AI ツールとの付き合い方」を、事実に基づいて整理します。
FIG.1 Tome は「プレゼン AI」を畳み、チームとブランドは別々の行き先へ分かれた
つまり、いま「Tome でプレゼンを作ろう」と思って公式サイトに行っても、かつてのプレゼン生成機能はありません。情報として古いガイドがネット上に多く残っているため、まずはこの前提を押さえてください。
01Tome はもともと何だったのか
Tome は 2022 年に登場した AI プレゼン/ストーリーテリングツールです。スライドを 1 枚ずつ手で組むのではなく、伝えたいテーマを入力すると、AI が「流れのあるドキュメント」として全体を生成してくれる点が新しさでした。縦スクロールで読ませる構成や、テキストから画像を生成して差し込む機能が話題になりました。
成長速度は際立っていました。報じられているところでは、公開から 134 日で 100 万ユーザー、最終的に 2,000 万ユーザー規模に達し、短期間で約 8,000 万ドルを調達、評価額は 3 億ドルに上ったとされます。「AI でプレゼンが一瞬で作れる」という体験が、当時いかに新鮮だったかを示す数字です。
02なぜプレゼン機能を畳んだのか
これだけ伸びたサービスが、なぜ終了したのか。創業チーム自身が公開した説明を要約すると、理由は「ユーザーは多いが、続けられるビジネスにならなかった」という点に尽きます。無料で大量に使われる一方で、安定した収益(有料転換)につながる道筋を描けなかった、というのが彼らの言葉です。