原稿を書き上げたあと、読者に届く形まで磨く工程が推敲(すいこう)と仕上げです。ここは AI が最も力を発揮する場面でもあります。文章を生み出す段階では「作家の代わり」になりきれない AI も、客観的な下読み役・校閲役としてなら、疲れず・偏らず・何度でも付き合ってくれます。本章では、2026 年時点の AI でどこまで任せられるか、どこは人間が持つべきかを、実際の手順に落として整理します。
FIG.1 AI は「指摘するところまで」。書き換えて採否を決めるのは作者
大事な前提を最初に置きます。推敲で AI に頼るのは「気づき」を増やすためであって、文章そのものを丸投げするためではありません。後述するとおり、現在の AI は文法や重複の検出は得意でも、「この結末がなぜ物足りないのか」といった感情的な手応えの判断はできません。AI を編集者として使い、作家としての判断は手放さない――これが本章を貫く線です。
01推敲は段階を分けて行う
初心者がつまずきやすいのは、誤字も構成も一度に直そうとして混乱することです。プロの編集現場では、推敲を粗い視点から細かい視点へ順に下りていきます。AI を使うときも、この順番をそのまま使うと指摘が整理され、見落としが減ります。