AI Navigate

NaaSで巻き返し狙うドコモビジネス、単なる土管からAIのインフラへ

日経XTECH / 3/16/2026

📰 NewsDeveloper Stack & InfrastructureIndustry & Market Moves

Key Points

  • NaaSでネットワークを従来の土管からAIインフラへと変革し、必要な機能だけを使う従量課金モデルを推進する。
  • docomo business RINKは2023年導入、WANセキュリティを2025年9月、IoT向けのdocomo business SIGNを2025年12月に追加し、2026年も拡充を計画している。
  • 金井俊夫副社長はネットワークの「インテリジェント化」が進むと指摘し、AIの活用拡大を新たな商機と位置づける。
  • AIエージェントの普及でトラフィックが自律的に発生する未来を想定し、NaaSのポータル/API経由で帯域制御とコスト最適化が可能になる。
  • 2026年秋にはAIOpsとFinOpsの提供を予定しており、運用と費用管理の差別化を図る。

 NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)がNaaS(ネットワーク・アズ・ア・サービス)で巻き返しを狙っている。NaaSとはSoftware Defined(ソフトウエア定義)技術を活用し、クラウドと同様、必要な機能を使った分だけ支払うような体系を取り入れたネットワークサービスを指す。

 企業の拠点間をつなぐ「docomo business RINK」を投入したのは2023年11月に遡るが、「WANセキュリティ」と呼ぶオプションを2025年9月に追加。IoT(インターネット・オブ・シングズ)向けの「docomo business SIGN」も2025年12月に始めた。2026年もさらなる拡充を計画する。

 筆者が興味深いと感じたのは、AI(人工知能)インフラに対するNTTドコモビジネスの見立てだ。金井俊夫副社長は今後のネットワークサービスについて「これまでの土管からインテリジェント化が進む」と指摘する。

 近年は「何も信じない」ことを前提とした「ゼロトラスト」の導入が広がり、「ネットワークは土管で構わない」と考える向きは多い。通信各社のネットワークサービスも品質や機能がほとんど同じで差異化が難しく、まさに土管と化してきたような面がある。

 だが、NTTドコモビジネスはAIの利用拡大で新たな商機が生まれると見る。例えばAIエージェントの導入が広がると、様々なトラフィックが自律的に発生するようになる。NaaSであればポータル/API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で帯域を制御することで、急激なトラフィック拡大にも柔軟に対処できる。docomo business RINKでは分課金も一部で導入しており、必要なときに必要な分だけを使うことでコストの最適化を図れる。

docomo business RINKでは帯域を柔軟に変更できる
docomo business RINKでは帯域を柔軟に変更できる
(出所:NTTドコモビジネス)
[画像のクリックで拡大表示]

 docomo business RINKは、新たに追加したWANセキュリティも売り物にする。同オプションでは(1)不正な通信を検知・遮断する「脅威検知・遮断」、(2)異常な挙動から脅威を検知する「ふるまい検知」、(3)通信ログを保管する「フローコレクター」などの機能を提供する。

次のページ

AIOpsとFinOpsも2026年秋に提供

この記事は有料会員限定です