AI Navigate

デンソー・ローム・東芝、3社連合はあるか 技術面から見通す

日経XTECH / 3/20/2026

📰 NewsIdeas & Deep AnalysisIndustry & Market Moves

Key Points

  • DensoがROHMへ買収提案を公表する中、ROHMと東芝のパワー半導体事業統合を含む“様々な選択肢”について協議中との報道が浮上した(東芝はコメントを控える)。
  • 技術的背景ではSiC(炭化ケイ素)を車載向けに活用する動きが中心で、ROHMはSiCに強く、ROHM傘下のSiCrystalを活用する体制がある。デンソーはウエハーの自製が進んでいない現状を踏まえ、ROHM/SiCrystalからの供給確保が自然な流れとされる。
  • デンソーはSiCウエハー安定調達を目的として米CoherentのSiC事業へ約5億ドルを出資しており、同業のデンソー・ローム間の連携強化が期待される。ロームとその子会社サイクリスタルのSiCウエハーをデンソーが確保する動きが想定される。
  • 本記事は技術面の観点から3社連携の可能性を分析しており、SiC以外の狙いについては次ページで触れられている。
デンソーによるロームへの買収提案に続き、ロームが東芝とパワー半導体事業で統合を交渉中だと報じられた(出所:日経クロステック)
デンソーによるロームへの買収提案に続き、ロームが東芝とパワー半導体事業で統合を交渉中だと報じられた(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 デンソーがロームに買収を提案している中、ロームが東芝とパワー半導体事業の統合について交渉していると日本経済新聞が2026年3月12日に報じた。ロームは東芝との資本提携を含む「様々な選択肢について協議中」とコメントし、東芝はコメントを控えた。なぜ、デンソーがローム、そしてロームが東芝にアプローチしているのか、それぞれの技術の強みから解説する。

 まず、ロームが以前から炭化ケイ素(SiC)、特に車載向けに注力していることから、SiCでデンソーとはシナジーを見込める。デンソーは車載向けのSiCパワー半導体素子(パワー素子)と同素子を採用したモジュール品、そして同モジュールを採用したインバーターまで手掛けている。ただし、SiCウエハーを自ら製造した実績は乏しく、これから本格的に量産する。一方、ロームはSiCウエハーメーカーのドイツSiCrystal(サイクリスタル)を傘下に持つ。

 デンソーは米Coherent(コヒレント)が分社化したSiC事業会社に5億米ドル(約800億円)を出資しており、ウエハーの安定調達を目指している。その一環として、ロームとその子会社のサイクリスタルのSiCウエハーをデンソーが入手したいと考えるのは自然な流れだといえる。

次のページ

デンソーの狙いはSiC以外も

この記事は有料会員限定です