学習データは取り終わった〜Meta 8,000人解雇のタイミングが示すもの
前回の記事を書いたのが4月末。Metaが社員のキーストロークとマウス操作をAI学習データとして吸い上げる「Model Capability Initiative(MCI)」について書いた。
そして今日、2026年5月20日。Meta社員8,000人へのレイオフ通知が始まった。シンガポール拠点が現地時間の早朝、最初の波を受け取った。この記事を書いている今、太平洋時間ではまだ通知メールが送られ続けている。
タイミングが示すものは一つだ。
データは取れた
MCIの第一報が出たのは4月21日(Reuters)。レイオフ通知が5月20日。間隔はわずか1ヶ月。
ここで注意したい。MCIは「4月に始まった」のではない。「4月に露出した」だけだ。
社員のPCに監視ソフトを強制インストールするプロジェクトが、設計から運用開始まで1ヶ月で終わるはずがない。Scale AIへの143億ドル投資が2025年6月。創業者AlexandrWangがSuperintelligence Labs統括に就任したのも同時期。逆算すれば、MCIは少なくとも半年、おそらく9ヶ月前から稼働していたと見るのが自然だ。
つまり今日切られる8,000人は、自分の仕事のやり方を半年以上にわたって完全にコピーされた状態で外に出される。
Scale AIへの143億ドルを、切られる社員8,000人で割ると、一人あたり約180万ドル。MCIで取得したデータ価値がこれを上回ると経営が判断したからこそ、8,000人を切る決断ができる。金銭計算としては成立している。
切る順序が答え合わせ
切られる人数は8,000人。これに加えて、6,000の未充足ポジションもキャンセルされる。実質的な人員減は14,000人規模。同時に、7,000人がApplied AI Engineering、Agent Transformation Accelerator、Central Analyticsへ転籍する。
残る人=AIを作る側。切られる人=AIに置き換えられる側。
転籍先のチーム名を見れば一目瞭然だ。Applied AI Engineering(AI実装)、Agent Transformation Accelerator(エージェント変革加速)、Central Analytics(中央分析)。残る職務カテゴリは完全にAI構築側に寄っている。
後者のデータは取り終わった。だから切れる。データが必要な段階なら、データ生成源である社員を減らすのは矛盾する。Metaは矛盾していない。だから取り終わっている。
Meta財務部門はQ1 2026決算で2026年通期の設備投資ガイダンスを最大1,450億ドルまで引き上げた。前年から約2倍。AIインフラへの投資上限は決まっていない。一方で、人員の下限も決まっていない。「計算リソース需要を継続的に過小評価してきた」と決算で説明された。片方は減らす方向、片方は増やす方向で、両方とも青天井。
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