NSKとNTN、27年統合で軸受世界トップ級に 対中国とフィジカルAI見据え

日経XTECH / 5/12/2026

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Key Points

  • NSKとNTNは2027年10月の経営統合を目標に基本合意書を締結し、供給体制の強化を狙う方針を示した。
  • ベアリング市場では中国など新興勢力の追い上げが加速しており、EVの成長減速も重なる中で大手再編による競争力維持が論点になっている。
  • 統合が実現すれば業界トップのSKFやSchaefflerと並ぶ規模となり、「世界大手3社」構図の形成が見込まれる。
  • 両社は機能を最適に配置して製造・機能の両面で競争力を高めること、さらにサプライチェーンの複線化などBCP観点で統合効果を発揮したい考えを語った。
  • 新規事業としてフィジカルAIで制御する人型ロボット/協働ロボット向け製品開発を挙げ、中国勢に対抗する国際競争力の強化につなげたい意向を示した。
左がNSK代表執行役社長の市井明俊氏、右がNTN代表執行役執行役社長の鵜飼英一氏。両社は経営統合に向けた基本合意書を締結した(写真:日経クロステック)
左がNSK代表執行役社長の市井明俊氏、右がNTN代表執行役執行役社長の鵜飼英一氏。両社は経営統合に向けた基本合意書を締結した(写真:日経クロステック)
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 自動車などの駆動系部品や転がり軸受(ベアリング)において、世界最大級の企業が誕生しそうだ。2026年5月12日、日本精工(NSK)とNTNは翌27年10月の経営統合を目標とした基本合意書を締結した。同分野は中国など新興国の追い上げが加速している上に、電気自動車(EV)市場の減速など急速な拡大は見込めない。NSKとNTNの統合を通じて、供給体制の強化を狙う。

 統合が実現すれば、ベアリング業界トップのスウェーデンSKFやドイツSchaeffler(シェフラー)の規模に並び、世界大手3社の構図になる。NSK代表執行役社長の市井明俊氏は、「製造での直接的なコストだけでなく、我々が持つ機能を最適に配置して、製造・機能ともに競争力を高めたい」と意気込む。NTN代表執行役執行役社長の鵜飼英一氏も「あらゆる場所で紛争や自然災害が起きており、BCP(事業継続計画)が確保できないケースも出てきている。サプライチェーンの複線化などにおいて、統合効果は発揮できる」と説明する。

 念頭にあるのは、中国企業の台頭に対する危機感だ。市井氏は「(駆動系部品などについて)実は世界の20~25%は中国の工場で生産されている。新しい競争が始まった中、新規の提案をし続けて国際競争力を高める必要がある」と力を込める。その新規事業領域の具体例として挙げるのが、フィジカルAI(人工知能)で制御する人型ロボットや協働ロボット向けの製品開発である。

NSKの市井氏は、中国など台頭する新興勢力への危機感をあらわにする(写真:日経クロステック)
NSKの市井氏は、中国など台頭する新興勢力への危機感をあらわにする(写真:日経クロステック)
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