新規事業開発へ向け生成AIの利用が進行、調査で明らかに

日経XTECH / 2026/4/3

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要点

  • 新規事業開発に生成AIを活用している企業は6割超で、「少しは活用」が43.9%、「大いに活用」が17.8%と利用が広がっている。
  • 活用は主に新規事業開発プロセスの自動化・効率化(約8割)で、提供製品・サービスへの機能組み込み(約4割)は相対的に低い。
  • 新規事業がうまくいく要因として顧客ニーズへの適合性が69.2%と最多で、うまくいかない要因は市場規模見積もりの難しさが示された。
  • 5年ごと調査(2016/2021/2026)では、コロナ禍直後に生じた変化は全体として元に戻る傾向がある一方、リスクヘッジを目的に挙げる回答が増加傾向。
  • 業種・規模では大企業や自動車等の輸送用機器・総合電機・家電などで「大いに活用」が多く、BtoBで進んでいる可能性が示唆された。

生成AI(人工知能)を新規事業テーマの探索やアイデアの創出などに応用する動きが始まっている。ニュース配信サービス『日経ものづくりNEWS』読者に対して新規事業開発についての調査を実施したところ、生成AIを利用しているとの回答が6割に及んだ。それによって成果が出始めている兆候も得られた。

この調査は2016年、2021年と5年ごとに実施しており、今回(2026年)で3回目。コロナ禍直後だった前回調査で生じた変化が、全体的には元に戻る傾向が見られた。例えば、2021年には事業がうまくいった要因として「市場が顕在化するタイミング」を上げる回答が増えたが、今回は2016年と同じ水準に戻った。ただし事業のリスクヘッジを新規事業開発の主目的として挙げる回答が増加傾向にあるなど、一貫した変化も見られる。調査の設問はPwCコンサルティングの協力を得た。

Q1 新規事業開発に生成AIを利用しているか? 6割以上が「利用」
Q2 新規事業開発はうまくいっているか? 「うまくいく」24.9%
Q3 生成AIの利用方法は? 「テーマ探索・アイデア創出」
Q4 新規事業で力を入れるのは? 「新規商品」より「新規顧客」に重点
Q5 新規事業がうまくいった要因は? 「顧客ニーズへの適合性」69.2%
Q6 新規事業がうまくいかなかった要因は? 市場規模見積もりに難しさ
Q7 新規事業開発の必要性はあるか? ほぼ9割が「必要」
Q8 新規事業開発の主な目的は? リスクヘッジの意識がじわり増加
Q9 新規事業開発の資源は? 「技術力」重視の一方「パートナー」は減少
Q10 新規事業開発に有効な協力相手は? 「販売力に優れた他社」やや増加

Q1 新規事業開発に生成AIを利用しているか? 6割以上が「利用」

 回答者が勤務する企業や機関の新規事業開発で、生成AIをどの程度活用しているかを聞いたところ、「大いに活用している」が17.8%、「少しは活用している」が43.9%と、合わせて6割以上が活用しているとの回答だった。その活用方法について主に2つの選択肢を設けて聞いたところ、「新規事業開発の過程における作業の自動化や効率化に生成AIを利用している」との回答が約8割に及び、「新規事業で顧客へ提供する製品やサービスの機能やメニューに生成AIを組み込んでいる」は4割程度にとどまった。

 図には示していないが、回答者が所属する企業の業種別に見ると、「自動車等輸送用機器メーカー」「総合電機・家電メーカー」「精密・事務用機器メーカー」では「大いに活用している」との回答が比較的多かったのに対し、「産業用機器メーカー」「機械部品・電子部品メーカー」では「大いに活用している」は少なかった。回答者が所属する企業の規模で見ると、大企業のほうが「大いに活用している」との回答が多かった。新規事業開発への生成AIの利用は、事業の形態がBtoC企業よりもBtoB企業で進んでいるようだ。

(出所:日経クロステック)
(出所:日経クロステック)
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新規事業開発「うまくいく」24.9%

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