「バックオフィス×AI」を掲げて、会計や労務といったクラウドサービスへのAI機能搭載を急ぐ。AIに取って代わられるとする「SaaSの死」論には、逆風ではなく進化の機会と前向きだ。事業の選択と集中を進め、法人向け事業へのシフトを鮮明にする。
(聞き手は玉置 亮太=日経コンピュータ編集長、水 達哉=日経クロステック/日経コンピュータ)
「バックオフィス×AI」を掲げて、会計や労務といった既存のクラウドサービスへのAI機能搭載を進めています。
生成AI(人工知能)が登場した際、大きな変化が生まれる可能性があると感じ、AI組織へのシフトを始めました。最近になり「AIカンパニー」を掲げる企業が増えましたが、私たちは3年前から、AI関連の取り組みを進めてきました。
1つ目が既存のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)にAIを付け加えるシンプルな取り組みです。当社は国内で最も広いSMB(中堅・中小企業)向けバックオフィスサービスのラインアップを持つと自負しています。既存の顧客にAI関連サービスを提供していきます。
2つ目が、AIネーティブな新プロダクトの創出です。パッケージソフトがクラウドに置き換わったように、クラウド会計もAI会計へ置き換えていく必要があります。その象徴が「マネーフォワード AI確定申告」です。自分たちをディスラプトする発想です。
3つ目がAI×BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。バックオフィス業務を自社で回したい企業もあれば、外部に委託したい企業もあります。後者向けに「マネーフォワード おまかせ経理」や「マネーフォワード おまかせ請求回収」といったサービスを、AIと組み合わせて提供しています。
これら3本柱で、2028年度までにビジネスセグメントのARPA(1アカウント当たりの平均売上高)を30~40%増にする計画です。今期はAIプロダクトに20億円を投資し、2030年にはAI関連のARR(年間経常収益)の150億円超えを目指します。
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