この記事の3つのポイント
- 2026年末にも顧客が設計した2ナノ世代のテストチップを生産開始
- AI関連を中心に米国企業から引き合い、日本や欧州の顧客も
- 世代追うごとにTSMCとの差を詰め、1ナノでは半年差狙う
先端半導体の受託生産を目指すRapidus(ラピダス、東京・千代田)は2026年末にも、顧客が設計した2nm(ナノメートル)世代のテストチップの生産を始める。2027年を目指す量産への一里塚となる。2026年2月には政府が1000億円を出資し、民間も32社が計1676億円を出資するなど産業界を挙げた支援体制が整ってきた。専務執行役員CTO(最高技術責任者)の石丸一成氏に技術開発の進捗を聞いた。
2ナノ半導体の量産を目指す2027年後半まで2年を切りました。
2ナノのトランジスタが動作したことを2025年7月、顧客向けイベントで発表しました。ただ、この時点での動作特性は納得いくものではありませんでした。突貫工事で、プロセス技術も製造装置も十分には準備ができていませんでした。
2025年9月ごろから特性の改善を始め、驚くような速さで改善しています。(米IBMの開発拠点があり技術者を派遣した米ニューヨーク州)アルバニーでは1年半かかった改善が、千歳工場(北海道千歳市)では2カ月弱でできている。アルバニーで実験を重ねてきた技術者たちの知見が生きたとはいえ、このスピードには我々も驚いています。
当社には半導体工場で歩留まり改善を担ってきた人材、ファウンドリー(半導体受託生産会社)への技術移管を担ってきた人材などが集まっています。彼らが一心同体となり、適材適所で動けていることは大きいです。
半導体ウエハーを1枚ずつ処理する全枚葉式の製造ラインと人工知能(AI)を生かすウエハー搬送システムが、製造のサイクルタイムを改善することも肌で感じています。まさに我々が掲げてきたコンセプト通りです。
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