「対応せざるを得ない」、Anthropicの「Mythos」に身構える日本の金融業界

日経XTECH / 2026/4/14

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要点

  • AnthropicがLLM「Claude Mythos」を発表し、数千件規模のゼロデイ脆弱性を発見できる能力を持つとして、日本の金融業界が警戒を強めている。
  • Mythosは悪用による被害を避けるため一般公開を控え、「Project Glasswing」に参加する企業に限って防御目的での使用を認める方針を取っている。
  • 日本の金融機関のIT開発はITベンダーの多重下請け構造に依存しており、高性能AIによる攻撃がこの体制に不利に働く可能性がある。
  • Project GlasswingにはAWS、Apple、Google、Microsoft、NVIDIAに加え、米金融ではJPMorgan Chaseが参画し、AIがサイバーリスクを深刻化させるとの認識のもと投資を継続する姿勢が示されている。

 米Anthropic(アンソロピック)がこのほど発表した大規模言語モデル(LLM)の「Claude Mythos(クロード・ミトス)」に日本の金融業界が身構えている。日本の金融機関はITベンダーの多重下請け構造に頼ったシステム開発体制を敷く。Mythosのような高性能AI(人工知能)を悪用した攻撃が、そうした開発体制に対し不利に働く可能性がある。

 「何らかの対応はせざるを得ないだろう」。メガバンクの幹部はMythosに対する対応について、日経クロステックにこう語った。

 Mythosはアンソロピックが2026年4月7日(米国時間)に発表したLLMだ。「ゼロデイ」という未知の脆弱性を数千件発見しており、主要なOSやWebブラウザーに含まれるものもあるとする。同社は「ソフトウエアの脆弱性を発見・悪用する能力が、最も熟練した人を除いて、全ての人を上回るレベルに達した」と主張する。

 サイバー攻撃に悪用される事態を回避するため、アンソロピックはMythosの一般公開を控えている。「Project Glasswing(プロジェクト・グラスウイング)」と呼ぶサイバーセキュリティーに関するプロジェクトを立ち上げ、この取り組みに参加する企業だけに「防御」の目的に限ってMythosの使用を認める。

 Project Glasswingには、アンソロピックのほか、Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)やApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、NVIDIA(エヌビディア)といった米国の主要なテクノロジー企業が名を連ねている。米金融業界からは、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)が参加した。

 JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)は2026年4月6日に公開した株主宛ての年次書簡で「サイバーセキュリティーは依然として我々の最大のリスクの1つであり、AIによってさらに深刻化することはほぼ確実だ。我々は、自らを守るため、そして警戒を怠らないために、多額の投資を行っている」とコメント。AIの脅威に対応する決意を表明していた。

Project Glasswingに参画する組織
Project Glasswingに参画する組織
(出所:米Anthropicの発表資料を基に日経クロステック作成)
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「これまでの常識を見直す必要性」

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