概要: 真理の追求は民主的な熟議と統治の中核にあるが、政治的言説には、検証可能な情報に基づく証拠に基づく推論から、信念や主観的な解釈に根ざした直観に基づく推論まで、さまざまな認識論的志向(epistemic orientation)が反映されている。われわれは、大規模言語モデル(LLM)による評価と、埋め込みに基づく意味的類似度から導出される Evidence--Minus--Intuition(EMI)スコアを用いて、認識論的志向を測定するためのスケーラブルな手法を提案する。この手法を、7か国にわたる1946年から2025年までの1500万の国会演説セグメントに適用し、言説における時間的なパターンと、それが熟議的民主主義および統治とどのように関連するかを検討する。その結果、EMIは、各国の時間経過における熟議的民主主義と正の相関を示し、同時分析と遅延分析の双方で一貫した関係が確認される。また、EMIは、統治の一側面として、法律の透明性および予測可能な実施と正の相関を示す。これらの知見は、政治的言説の認識論的性質が、民主主義と統治の双方の質にとって重要であることを示唆している。
議会での論点(エピステミックな志向)の方向づけは熟議的民主主義と関連している
arXiv cs.CL / 2026/4/22
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要点
- 研究では、Evidence–Minus–Intuition(EMI)スコアをLLMの評価と埋め込みベースの意味類似度から算出し、政治的発話における「エピステミックな志向」を大規模に測定する手法を提案している。
- 1946年から2025年までの7か国にわたる15百万件の議会発話セグメントを用い、EMIの時系列パターンと熟議的民主主義との関連を分析している。
- EMIは各国の時間経過の中で熟議的民主主義と正の相関を示し、この関係は同時分析だけでなく遅延(ラグ)分析でも一貫して確認されている。
- さらにEMIは、統治の側面として法律の透明性や、法律の実施が予測可能であることとも正の相関を持つ。
- 総じて、政治的言説が「根拠(エビデンス)に基づく」か「直感に基づく」かという性質が、民主主義と統治の質にとって重要であることを示唆している。


