人型ロボットを被災建築物の調査に活用、建築研究所などが公開実験

日経XTECH / 2026/3/24

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要点

  • 建築研究所とポケット・クエリーズが、災害時に被災建築物を調査する人型(ヒューマノイド)ロボットの遠隔調査システムを報道陣向けに公開実験し、応急危険度判定などの新たな可能性を示した。
  • 人型ロボットは中国製で高さ約130cm・40kg、4台カメラやToFセンサーを搭載し、ChatGPTと連係することで対話や撮影画像の分析が可能となっている。
  • 実験では、被災建築物を模した屋内環境で傾いた壁や損傷した柱を確認し、AI分析により傾斜角に加え沈下量・変形量などを判断して点検帳票へ入力できる流れを実演した。
  • 運用は現時点で遠隔操作が前提で、複数画面のロボット目線映像や解析データを見ながらコントローラー操作を行い、MRゴーグル投影や音声指示(例:手を挙げる)にも対応する。

 「被災状況の調査を開始します」。こう声を発し、身長約130cmの人型ロボット(ヒューマノイド)が、ぎこちない足取りでゆっくりと歩き出した。周囲を見渡すように首を回し、小刻みに体を揺らしながら建物内を進んでいく。やがて1本の柱の前で、ぴたりと立ち止まった。これは、建築研究所などが公開した実験の1コマだ。

 ゴーグル型デバイスを装着した操作者が、「建物の被害状況はどうですか」とマイクに向かって話しかける。すると人型ロボットは柱の方向に腕を伸ばして損傷箇所を認識し、「傾きが30分の1以上あるようです」と報告した――。

2026年3月10日、建築研究所とポケット・クエリーズが人型ロボットを活用した被災建築物調査技術に関する公開実験を同研究所内で実施した(写真:日経クロステック)
2026年3月10日、建築研究所とポケット・クエリーズが人型ロボットを活用した被災建築物調査技術に関する公開実験を同研究所内で実施した(写真:日経クロステック)
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 建築研究所とロボット向けのアプリ開発などを手掛けるポケット・クエリーズ(東京・新宿)は2026年3月10日、災害時に人に代わって被災建築物を調査する人型ロボットを、報道陣向けに初めて公開した。人型ロボットの遠隔調査システムや、人型ロボットと4足歩行ロボットの連係システムを披露。被災地における応急危険度判定などを遠隔で実施する、新たな災害対応の可能性を示した。

 公開実験の主役である人型ロボットは中国製で、高さ約130cm、重さ約40kg。4台のカメラの他、光が反射して戻るまでの時間を基に距離を測るToF(Time of Flight)センサーなどを搭載している。生成AI(人工知能)サービスのChatGPTと連係しているため、人と対話したり、撮影した画像を分析したりできるのが特徴だ。25年8月ごろから両者がシステム開発を進めてきた。

建築研究所とポケット・クエリーズが開発を進める被災建築物の調査システム。人型ロボットと4足歩行ロボットを連係させる(写真:日経クロステック)
建築研究所とポケット・クエリーズが開発を進める被災建築物の調査システム。人型ロボットと4足歩行ロボットを連係させる(写真:日経クロステック)
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 公開実験では、傾いた壁や損傷した柱などの被害の確認を想定。被災建築物を模した環境を屋内に設け、人型ロボットが柱の傾斜角を報告する様子を実演した。人型ロボットはカメラで撮影した損傷を基に、AIを使って被害状況を分析し、傾斜角の他、沈下量や変形量などを判断して結果を点検帳票に入力できる。

 人型ロボットの移動については、現時点で遠隔操作による運用を前提としている。操作者は複数の画面に映るロボット目線のカメラ映像や撮影した画像の解析データなどを見ながら、コントローラーでロボットを操る。専用のゴーグル型デバイスを使って、複合現実(MR)に画面を投影し、直感的に操作することもできる。「手を挙げる」といった簡易な動きについては、音声による指示も可能だ。

公開実験では遠隔地からの操作を想定した。「災害対策本部」と見立てた場所に複数の画面を用意し、ロボット目線の映像などを表示する(写真:日経クロステック)
公開実験では遠隔地からの操作を想定した。「災害対策本部」と見立てた場所に複数の画面を用意し、ロボット目線の映像などを表示する(写真:日経クロステック)
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