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API(アプリケーションプログラミングインタフェース)管理ベンダーZuploは、「Model Context Protocol」(MCP)の利用に関わる技術専門家92人を対象に実施した調査結果を公開した。MCPは、AIモデルと外部のアプリケーションやデータソースを接続するためのプロトコルだ。
調査では、回答者の72%が今後12カ月間でMCPの利用が「やや増加」または「大幅に増加」すると見込んでおり、MCPの利用拡大への期待が高い。その一方、普及する上での障壁になると考えられる課題も認識されていることが分かった。
72%がMCP利用増加を見込むが、“普及を妨げる課題”も浮上
調査は2025年11~12月にオンラインで実施された。回答者の内訳は開発者・エンジニアが48%、プロダクトマネジャーが20%、ソリューションアーキテクトが14%、DevOps(開発と運用の統合)およびプラットフォームエンジニアが7%、その他の技術職が12%。
MCP利用状況別では、「非本番環境で実験・パイロット中」が65%、「本番環境で使用中」が17%、「理解はしているが未使用」が15%、「学び始めたばかり」が15%だった。
今後12カ月におけるMCPの利用に関しては、「大幅に増加する」(34%)、「少し増やす」(38%)の合計で72%が利用増加を見込んでいる。
標準規格としての位置付けに関しては、54%がMCPが長期的に持続し、業界標準になると考えている。一方で約40%はMCPの将来性に懐疑的であり、A2A(Agent2Agent)、UTCP(Universal Tool Calling Protocol)、ACP(Agentic Commerce Protocol)など競合プロトコルの台頭も認識されている。
AIツールにおいてMCPが関与する割合については、今後1年間で、40%の回答者が「26~50%」、28%が「51%以上」になると回答した。
「コンテキストエンジニアリング」にMCPを活用
MCP導入の投資対効果(ROI)の指標としては、「開発者の生産性と時間節約」が49%で最多だった。次いで「新機能の実現」(42%)、「ユーザー満足度の向上」(40%)、「統合の複雑さの軽減」(24%)が続いた。
MCP利用者の70%が既に2~7台のMCPサーバを構成しており、主用途は「ドキュメントやナレッジベースなどのデータソースへの接続」だった。
「コンテキストエンジニアリング」のためにMCPサーバを利用することで、ワークフロー上の効果を得ている傾向が顕著だった。コンテキストエンジニアリングとは、実行時にAIコーディングエージェントへ追加の関連情報を提供する手法だ。MCPを実際にワークフローで使用している回答者のうち、30%は「AIレスポンスへのより良いコンテキスト(文脈)の提供」を挙げ、25%が「特定タスクにおけるAI機能の強化」と回答した。
MCPサーバ構築者の50%がセキュリティを最大の課題に
MCPサーバ構築者の50%が「セキュリティとアクセス制御の複雑さ」を最大の課題として挙げた。採用拡大の障壁としても、38%が「セキュリティ・コンプライアンス(法令順守)上の懸念」だった。
認証方式については、40%が「APIキー」を使用し、24%は「認証なし」で運用していた。比較的簡易な運用が多い一方で、32%は「OAuth、JSON Web Token(JWT)、シングルサインオン(SSO)」など、より高度な認証・認可メカニズムを導入している。
30%がAPI/MCPゲートウェイでホスティング
MCPサーバのホスティング環境として、30%が「API/MCPゲートウェイ」を使用していた。
MCPサーバ構築者の58%は既存のAPIをMCPでラップしており、MCP専用のAPIを新規構築しているのは23%にとどまった。トランスポートプロトコルとしては、59%が「Streamable HTTP」を使用し、デフォルト(既定)の「STDIO」(standard input/output)は34%だった。
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