「データセンター」の中ってどうなってるの? 潜入して分かった、生成AIを支える「冷却技術の進化」

ITmedia AI+ / 2026/4/9

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要点

  • 千葉県印西市のデータセンター「NRT14」が4月8日に稼働し、生成AI向け需要を見込んだ高性能冷却・電源設備を備えると説明している。
  • AI処理用チップは発熱しやすく冷却に電力を要するため、NRT14は約25メガワットの電源容量を用意している。
  • 従来の空冷では難しくなりつつある背景を踏まえ、チップを冷却する「液冷方式」に対応した設備を導入している。
  • 運営会社MCDRは、コロケーション提供に加えて評価・検証施設「DRIL」を隣接地に開設し、空冷/液冷の比較や電力密度の検証を本番環境で行えるようにしている。
  • DRILには複数ベンダーの高密度型サーバやネットワーク機器が展示され、メーカーと連携してAIインフラ構成の提案や導入の円滑化を狙う。

 データセンターが集積していることから“データセンター銀座”と呼ばれる千葉県印西市で、新たなデータセンター「NRT14」が4月8日に稼働した。生成AIに代表されるAI向けインフラの需要を取り込むために、高度な計算処理に対応できる冷却・電源設備を備えている。三菱商事と世界に300以上のデータセンターを保有する米Digital Realtyとの合弁会社MCデジタル・リアルティ(以下、MCDR)が運営する。

 AI用インフラは、従来のITインフラと設計や運用方法が異なる。特に、AI処理に適したチップは発熱しやすく、冷却に多くの電力を消費する。NRT14は、約25メガワットの電源容量を備えており、これは一般家庭5000~8000世帯の最大消費電力に相当する(電力会社の電気料金プランを基に1世帯当たり30~60アンペアで計算)。

 新しい冷却技術も取り入れている。チップの性能向上に伴って、冷たい空気でサーバを冷やす従来の「空冷方式」では間に合わなくなってきた。NRT14は、特殊な液体を循環させてチップを冷やす「液冷方式」に対応した設備を導入している。

 AI時代に対応したデータセンターの内部に潜入して、冷却技術の進化を見てきた。その模様をレポートする。

photo NRT14の外観(画像提供:MCDR)
photo 液冷方式に対応したサーバラック(アイティメディア撮影、以下同)

「データセンター」潜入 生成AIを支える「冷却技術の進化」とは?

 MCDRのデータセンターでは、企業やクラウドサービス事業者が自社のサーバを設置できる「コロケーション」サービスを1ラック(棚)単位で提供している。サーバの運用・管理は、MCDRが24時間体制で行う。

 最適なAIインフラの導入を支援するために、機器や技術の性能を評価・検証できる施設「MCデジタル・リアルティ イノベーション ラボ」(DRIL:Digital Realty Innovation Lab)を隣接するNTR12に開設した。

 DRILでは液冷却に対応する高密度型サーバを無料で提供する。企業は空冷/液冷といった冷却方式の比較、AIインフラの性能評価や電力密度の検証を、本番環境で実施できる。メーカーなどと協力して「AIインフラの理想的な構成」を提示するとともに、事前確認によってスムーズな導入を後押しする狙いだ。

photo DRILの様子

 DRILはサーバルームの1室にある。ラックには各社のさまざまな技術が展示されている。

 富士通の子会社エフサステクノロジーズ(神奈川県川崎市)が手掛けるサーバ「PRIMERGY」や、半導体商社のマクニカが取り扱うデータセンター向けネットワーク機器など複数ベンダーの製品が並ぶ。多種多様な機器をそろえることで、顧客のニーズに応える狙いだ。

photo DRILに設置されているエフサステクノロジーズの「PRIMERGY GX2580 M8s」
photo マクニカが取り扱うネットワーク機器の一部

 液冷方式に対応したサーバラックは、背面に太い管が何本も通っている。ここに特殊な冷却液を流してサーバやチップを冷やしている。

photo 液冷方式に対応したサーバラックの背面

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