日立ヴァンタラ社長に聞くエージェント時代のAIインフラ、製販一体で挑む

日経XTECH / 2026/4/6

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要点

  • 日立ヴァンタラ(米)と日立ヴァンタラ(日本)が、AIエージェント活用需要に応えるためAIインフラ製品「Hitachi iQ」を2026年3月(ソフト/ハード)に刷新し、製販一体をさらに強化する方針を示した。
  • Hitachi iQはNVIDIAのGPUサーバーと日立のストレージを一体提供し、規模別にエントリー/ミッドレンジ/エンタープライズの3モデルで生成AI業務利用を支える。
  • ソフト面の「Hitachi iQ Studio」はRAG構築パイプラインやノーコードAIエージェントビルダー、ユースケース設計図(ブループリント)を提供し、AIアプリ開発を加速する。
  • ブループリントをAIエージェント向けに拡張し、ワーカー/スーパーバイザーの役割を定義することで、マルチエージェント協調とガバナンス維持を両立しつつ複雑な自動化を進めやすくした。
  • 追加機能としてNVIDIAのLLM「NVIDIA Nemotron」対応や、過去履歴データを文脈・時間の流れに沿って扱う「タイムマシン機能」を導入し、説明可能性の強化を狙う。

 米国でストレージ製品を販売するHitachi Vantaraと、日本でストレージの研究開発や製造・販売を担う日立ヴァンタラが、AI(人工知能)エージェントの活用ニーズに応えるべく、AIインフラ製品「Hitachi iQ」を強化している。2026年3月17日にソフトウエア、3月27日にハードウエアの刷新を相次いで発表した。4月1日には日立ヴァンタラ取締役社長の島田朗伸氏がHitachi VantaraのCEO(最高経営責任者)に就任し、製販一体体制のさらなる強化を目指す。

 Hitachi iQは、生成AIの業務利用に適したインフラをパッケージで提供する製品だ。米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)サーバーとHitachi Vantaraのストレージを一体で提供する。システムの規模別に「エントリー」「ミッドレンジ」「エンタープライズ」という3種類のモデルを用意する。

 Hitachi iQではハードウエアに加え、生成AIのアプリケーション開発向けソフトウエア「Hitachi iQ Studio」も提供している。Hitachi iQ StudioにはRAG(検索拡張生成)構築向けのパイプラインやノーコードのAIエージェントビルダー、企業でのユースケースに対応した生成AIアプリケーションの設計図(ブループリント)などが含まれる。

 今回、このブループリントをAIエージェント向けに拡張した。複数のエージェントが協調するマルチエージェントシステムの構築を容易にした。タスクを実行する「ワーカーエージェント」、複数のAIエージェントのワークフローを調整する「スーパーバイザーエージェント」といった役割を、あらかじめブループリントで定義した。このブループリントを用いてマルチエージェントシステムを構築すれば、ガバナンスを維持しながら複雑なプロセスを自動化できる。

 Hitachi iQ Studioでは他にもAIエージェント向けに機能を追加した。例えば、NVIDIAが開発したAIエージェント向け大規模言語モデル(LLM)「NVIDIA Nemotron」を使えるようにした。また、AIシステムが過去の履歴データを文脈や時間の流れに沿って処理できるようにする「タイムマシン機能」を追加した。これにより、AIの説明可能性を強化できるという。

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