米国でストレージ製品を販売するHitachi Vantaraと、日本でストレージの研究開発や製造・販売を担う日立ヴァンタラが、AI(人工知能)エージェントの活用ニーズに応えるべく、AIインフラ製品「Hitachi iQ」を強化している。2026年3月17日にソフトウエア、3月27日にハードウエアの刷新を相次いで発表した。4月1日には日立ヴァンタラ取締役社長の島田朗伸氏がHitachi VantaraのCEO(最高経営責任者)に就任し、製販一体体制のさらなる強化を目指す。
Hitachi iQは、生成AIの業務利用に適したインフラをパッケージで提供する製品だ。米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)サーバーとHitachi Vantaraのストレージを一体で提供する。システムの規模別に「エントリー」「ミッドレンジ」「エンタープライズ」という3種類のモデルを用意する。
Hitachi iQではハードウエアに加え、生成AIのアプリケーション開発向けソフトウエア「Hitachi iQ Studio」も提供している。Hitachi iQ StudioにはRAG(検索拡張生成)構築向けのパイプラインやノーコードのAIエージェントビルダー、企業でのユースケースに対応した生成AIアプリケーションの設計図(ブループリント)などが含まれる。
今回、このブループリントをAIエージェント向けに拡張した。複数のエージェントが協調するマルチエージェントシステムの構築を容易にした。タスクを実行する「ワーカーエージェント」、複数のAIエージェントのワークフローを調整する「スーパーバイザーエージェント」といった役割を、あらかじめブループリントで定義した。このブループリントを用いてマルチエージェントシステムを構築すれば、ガバナンスを維持しながら複雑なプロセスを自動化できる。
Hitachi iQ Studioでは他にもAIエージェント向けに機能を追加した。例えば、NVIDIAが開発したAIエージェント向け大規模言語モデル(LLM)「NVIDIA Nemotron」を使えるようにした。また、AIシステムが過去の履歴データを文脈や時間の流れに沿って処理できるようにする「タイムマシン機能」を追加した。これにより、AIの説明可能性を強化できるという。
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