日本郵船とNTTファシリティーズ、ユーラスエナジーホールディングス、三菱UFJ銀行、横浜市の5者はデータセンターを洋上に構築して運用する実証実験を開始した。太陽光発電と蓄電池を活用した再生可能エネルギー100%で稼働する浮体式のデータセンターは世界初だという。2027年の商用化を目指す。
洋上データセンターは横浜港の大さん橋ふ頭に既設のミニフロート(浮体式係留施設)上に構築し、2026年3月25日に開所式を開催した。コンテナ型のデータセンターと太陽光発電設備、蓄電設備などを備える。
演算性能を重視して、科学技術計算などに使うGPU(画像処理半導体)コンピューティングの用途で運用する。演算中心の用途であれば通信性能はそれほど重視しなくてよいため、今回は携帯電話回線を使う。遠洋に構築する場合は、衛星通信や海底ケーブルを使うことを検討しているという。
実証実験では4ラック分のGPUサーバーを稼働させる。実証実験をとりまとめる日本郵船の鹿島伸浩専務執行役員技術本部長は、「将来的な用途を絞っているわけではないが、小規模なものから始めることで早期の商用化を実現したい」と語った。
塩害や波による振動など、洋上でデータセンターを運用する上での課題も調べる。日本郵船の寿賀大輔イノベーション推進グループ先端事業・宇宙事業開発チーム長は「海運事業の知見を生かす。塩害は現在運航している船と同じように対策すれば計算上問題ない。振動も問題ない範囲だと考えているが、揺れを抑える仕組みもあるため必要に応じて導入する」と語った。
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