論点を 3 段階で整理
AI と著作権の議論は混乱しやすいので、(1) 学習データの段階、(2) 出力の段階、(3) 公表・利用の段階に分けて考えると整理できます。
(1) 学習データの段階
日本
著作権法 30 条の 4 で「情報解析の用に供する場合」は権利者の同意なく利用可。AI 学習に最も寛容な国の 1 つ。ただし享受目的(鑑賞させる目的)は対象外で、学習行為と出力時の利用は別判断。
米国
フェアユース原則。NYT v. OpenAI 等で個別判断中。逐語的再現が起きると侵害認定の可能性。
2026年の確定事実:裁判例は出そろいつつあります。著者集団が Anthropic を提訴した件は、「書籍での学習はフェアユースだが、海賊版コピーの保管は不可」との判断後に約15億ドルで和解(1作品あたり約3,000ドル規模)。Thomson Reuters 対 Ross は「フェアユースに当たらない」と判断され控訴中、Disney/Universal 対 Midjourney も係争中です。純粋にAIだけで生成した成果物は米国では著作権登録不可(連邦・巡回区が支持し、2026年に最高裁が上告不受理)。EUは AI Act の高リスク規制の施行が2026年8月に始まり、GPAI提供者は学習データ概要の公開と著作権遵守方針が必須です。
EU
2019 年 DSM 指令で「テキスト・データマイニング」例外があるが、権利者がオプトアウト可能。AI Act の GPAI 義務で学習データ概要の公開と著作権遵守が要求される。




