ホンダは2026年3月12日、次世代の電気自動車(EV)群「0(ゼロ)」シリーズなど3車種の開発と発売を中止すると発表した。米カリフォルニア州の環境規制が事実上撤回されたことなどでEV販売の見通しが立たなくなった。最大2兆5000億円の損失が発生し、2026年3月期は上場以来初めての赤字となる見通しだ。うみを出し切り、ハイブリッド車(HEV)に開発の軸足を移す。
2026年に発売を予定していた第1弾「ゼロ SUV」と旗艦セダン「ゼロ サルーン」、高級車ブランド「Acura(アキュラ)」の「RSX」の3車種の開発を中止する。
ホンダが同日に開いた記者会見で社長の三部敏宏氏は、EVに逆風が吹き始めており「3車種の事業成立は困難で、断腸の思いで決断を下した」と苦渋の表情を浮かべた。無理に発売することで早期の生産中止などに追い込まれれば「ブランド価値を毀損し、顧客に心配や迷惑をかける可能性がある」とし、このタイミングでの決断になったと説明する。
EV赤字は「成長を妨げるレベル」
開発中止を決断した背景にあるのが、2026年から厳しくなる予定だったカリフォルニア州の環境規制「ACCⅡ」の事実上の撤回だ。EV販売の増加を後押しするとみられていたが、米トランプ政権による規制撤回により戦略の大きな見直しを余儀なくされた。
すでに米国EV販売の潮目は変わりつつある。2025年後半からEV販売の落ち込みが大きくなっている。米調査会社S&P Global Mobilityによると2025年10月に前年同月比で3割と大きく減少し、それ以降もマイナスで推移している。直近の販売について三部氏は「(当初に想定していた販売の)半分以下に冷え込んでいる」との見方を示した。
このままEV開発を進めれば計画の販売台数を割り込み、大きな赤字事業になることが見えてきた。三部氏は「色々な手を打ったが我々の成長を妨げるレベル」との認識を示し、3車種の開発中止を決断した。
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