パワー半導体などに用いられる炭化ケイ素(SiC)ウエハーは直径が12インチ(300mm)時代に突入しつつある。東京ビッグサイトで開催された展示会「第40回 ネプコン ジャパン」(2026年1月21〜23日)において、複数の中国メーカーが日本の代理店を通じて12インチのSiCウエハーを出展した。
現状では1枚数百万円
そのうちの1社が、中国・浙江晶盛機電(JSG)だ(図1)。
JSGは、薄い緑色に見え、主に電子が伝導する「N型」と、透明の「光学用」の12インチSiCウエハーをそれぞれ出展した。代理店のマルエム商会(名古屋市)は、「今は1枚数百万円する」という。
N型はパワー半導体向けの他に、高い熱伝導率を生かしたAI(人工知能)半導体の放熱基板といった用途が想定されている。
SiCは結晶のタイプや純度にもよるが、熱伝導率が400〜500W/(m・K)で、サファイア(Al2O3)基板よりもはるかに高く、セラミック材料の中ではトップクラス(図2)。金属で最も熱伝導率が高い銀(Ag)と同程度か、それ以上にもなる。
マルエム商会は、「日本のSiC半導体メーカーに出荷する際は、(SiCウエハー上にさらに高品質なSiCの薄膜を形成した)エピウエハーの形にする」という。エピウエハーの作製は、中国・広東天域半導体(天域TYSiC)が担っているというが、12インチSiCウエハーに関してはまだ量産段階ではないようだ。
一方、透明な光学用は、ドーピングをしない半絶縁型とも呼び、AR(拡張現実)グラスの導光板や、AI半導体のインターポーザー(中間基板)などの用途を想定する。これらも、高い熱伝導性が重要な特性になっている。
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光学用は小ロットで出荷開始この記事は有料会員限定です






