HDD「100TB超」時代へ 3社のロードマップ、熱アシスト+αで容量競争

日経XTECH / 2026/5/26

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要点

  • 生成AI需要の拡大で、学習・運用に必要な大量データを支えるニアライン向けHDD市場が再成長しているという前提が示された。
  • 市場調査TSRの予測では、ニアライン向け3.5インチHDDの世界総出荷台数は2024年から2030年にかけて約1.5倍(2024年約5850万台→2030年約8880万台)とされる。
  • HDDメーカーはかつて200社以上から実質3社(Seagate、Western Digital、東芝デバイス&ストレージ)にまで集約され、各社が高容量化で競争を継続している。
  • 100TB超の実現が「見えてきた」とされ、熱アシストなどの技術革新(加えて高帯域化等)を軸にロードマップを比較する構成になっている。

この記事の3つのポイント

  1. かつて200社以上もあったHDDメーカーは3社まで絞られた
  2. HDD市場はデータセンター需要で急成長し、2024年から2030年で1.5倍に
  3. 3社の開発ロードマップを比較、熱アシストなど技術革新で容量100TB超へ

 生成AI(人工知能)の需要急拡大によって、「ニアライン」と呼ばれるデータセンターなどに向けたHDD(ハード・ディスク・ドライブ)市場が再成長している。大規模なAIモデルの学習に必要な膨大なデータを保持するために、データセンターなどではストレージ容量の拡張が急務になっているからだ。3.5インチHDD1台当たりの容量で、100TB(テラバイト)超の実現も見えてきた。

†ニアライン=アクセスする頻度が比較的少ないデータを記録するための大容量ストレージ装置。アクセスが高速なオンラインストレージと、磁気テープ装置などのオフラインストレージの中間にあるものとして「ニアライン」と呼ばれる。

 市場調査会社のテクノ・システム・リサーチ(TSR、東京・千代田)の予測によれば、ニアライン向け3.5インチHDDの世界総出荷台数は、2024年に約5850万台だったが、2026年には約7680万台と31%成長し、2030年には約8880万台にまで増加するという。2024年比で約1.5倍の規模だ。HDDは、パソコン向けなどの他用途がフラッシュメモリーをベースにしたSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)にほぼ駆逐されてしまったが、ニアラインは同市場の「最後の砦(とりで)」として奮闘を続けている。

ニアライン向けHDDの世界総出荷台数と3.5インチドライブ1台当たりの高容量化の予測(出所:テクノ・システム・リサーチのデータを基に日経クロステックが作成)
ニアライン向けHDDの世界総出荷台数と3.5インチドライブ1台当たりの高容量化の予測(出所:テクノ・システム・リサーチのデータを基に日経クロステックが作成)
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 かつては世界に200社以上もあったとされるHDDメーカーだが、現在は実質的に、米Seagate Technology(シーゲイト・テクノロジー)、米Western Digital(ウエスタンデジタル、以下WD)、東芝デバイス&ストレージの3社にまで絞られている。WDで最高製品責任者(CPO)を務めるAhmed Shihab(アーメド・シハブ)氏は、「2040年代に入っても、HDDが重要で価値のあるストレージとして使われ続けると考えている」と話す。

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3社のロードマップ比較で戦略の違いくっきり

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