この記事の3つのポイント
- かつて200社以上もあったHDDメーカーは3社まで絞られた
- HDD市場はデータセンター需要で急成長し、2024年から2030年で1.5倍に
- 3社の開発ロードマップを比較、熱アシストなど技術革新で容量100TB超へ
生成AI(人工知能)の需要急拡大によって、「ニアライン†」と呼ばれるデータセンターなどに向けたHDD(ハード・ディスク・ドライブ)市場が再成長している。大規模なAIモデルの学習に必要な膨大なデータを保持するために、データセンターなどではストレージ容量の拡張が急務になっているからだ。3.5インチHDD1台当たりの容量で、100TB(テラバイト)超の実現も見えてきた。
市場調査会社のテクノ・システム・リサーチ(TSR、東京・千代田)の予測によれば、ニアライン向け3.5インチHDDの世界総出荷台数は、2024年に約5850万台だったが、2026年には約7680万台と31%成長し、2030年には約8880万台にまで増加するという。2024年比で約1.5倍の規模だ。HDDは、パソコン向けなどの他用途がフラッシュメモリーをベースにしたSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)にほぼ駆逐されてしまったが、ニアラインは同市場の「最後の砦(とりで)」として奮闘を続けている。
かつては世界に200社以上もあったとされるHDDメーカーだが、現在は実質的に、米Seagate Technology(シーゲイト・テクノロジー)、米Western Digital(ウエスタンデジタル、以下WD)、東芝デバイス&ストレージの3社にまで絞られている。WDで最高製品責任者(CPO)を務めるAhmed Shihab(アーメド・シハブ)氏は、「2040年代に入っても、HDDが重要で価値のあるストレージとして使われ続けると考えている」と話す。
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