「世界一は狙わない」NVIDIAと協業でAI時代の計算機へ

日経XTECH / 2026/5/29

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要点

  • 理化学研究所と富士通、米NVIDIAが協業して次世代スーパーコンピューター「富岳NEXT」を2030年ごろの稼働に向け開発し、2026年3月に基本設計を完了した。
  • 「世界一の演算性能」を追うより、AI時代に実際に“使われる計算機(脱専用)”を目指し、科学計算とAI処理の両立を重視する方針を掲げる。
  • 富岳NEXTは前身のスパコン「富岳」(2020年稼働)の後継で、エクサスケール級の演算性能を見据えつつ研究開発基盤としての汎用性を狙う。
  • 開発には国が1000億円超を投じる計画で、計算資源の価値が“性能ランキング”から“実運用での適用性”へ移る流れを反映している。
  • NVIDIAとの連携を通じて、AI向けワークロードでの利用・展開を前提にした設計思想(商業的成功や実用性)を強調している。

 理化学研究所と富士通、米NVIDIA(エヌビディア)が2030年ごろの稼働を目指し開発する次世代スーパーコンピューター「富岳NEXT」が、最初のマイルストーンを迎えた。アーキテクチャーの基本設計を2026年3月に終え、詳細設計へ移った。性能世界一へのこだわりを捨て、AI(人工知能)時代に「使われる計算機」の実現に比重を置く。

 富岳NEXTは、理研と富士通が共同開発し2020年に稼働させたスパコン「富岳」の後継機の開発コード名である。演算性能はエクサスケール級を見据えつつ、科学計算とAI処理を両立できる次世代の研究開発基盤を目指す。開発には国が1000億円超を投じる。

エヌビディアと目指す「脱専用」

 「スパコンは使われてこそ。商業的成功なしでは意味がない」─。富岳NEXTの開発を主導する理化学研究所計算科学研究センター長の松岡聡氏は断言する(図1)。

図1 理化学研究所の松岡聡氏
図1 理化学研究所の松岡聡氏
AIの時代において計算性能のランキングは価値が薄れつつあると話す。(写真:加藤 康)
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富岳NEXTの狙いは明確だ。日本で開発する国産ス...

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