NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社がAI(人工知能)に傾倒している。成長に限界が見えるモバイル通信から、注力事業をシフトしようとしているようだ。その結果として懸念されるのが、国内の携帯電話産業の衰退である。
モバイル通信に大きな成長を求めなくなった
2026年のゴールデンウイーク明けに、携帯大手3社は2025年度決算を相次いで発表した。NTTドコモが増収減益となり営業利益が1兆円を割る一方、KDDIとソフトバンクはともに増収増益で好調だった。
NTTドコモが苦戦している要因は、競争環境の激化により販促費を増やしたことと、2023年に起こした通信品質低下を回復させるべくコストをかけたことにある。2025年度第3四半期の時点で、通期業績予想を下方修正していた。NTTドコモが業績面で厳しい状況にあることは間違いない。
だが販売促進を強化したことや、高付加価値・高額の「ドコモMAX」の契約が目標の300万を突破したことなどで、ARPU(1契約当たりの月間平均収入)が4000円台を回復。2026年度にモバイル通信サービス収入が底を打つとしており、業績は回復傾向にある。
携帯大手の決算発表を見て気になったのが、モバイル通信に関する今後の戦略である。KDDIとソフトバンクの両社は、次の中期経営戦略において、モバイル通信事業では大きな成長を求めないとした。KDDIは「安定的」、ソフトバンクは「継続的」な成長を目指すという。
両社は2025年度の半ばごろから、新規契約獲得を重視する従来の戦略を見直している。原因は市場の飽和と、ポイント還元などの特典を目当てとする短期解約者の増加だ。既存契約者の解約率を引き下げたりARPUを伸ばしたりして、小規模ながら一定の成長を目指すというのが、両社の現在の方針といえるだろう。







