生成AI(人工知能)サービスを提供する企業が、相次いでサービス利用料金体系の改定を進めている。トークン消費量の多いAIエージェントの利用増加を背景に、AIエージェントの利用や自動化用途を別枠で管理したり、定額プランに従量課金の要素を加えたりといった動きがある。ユーザーにとっては、生成AI利用料の負担が増える可能性がありそうだ。
「定額プランを前提とした予算は今後大きなリスクになる」。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業でAI戦略を担う幹部は、危機感をあらわにした。米Anthropic(アンソロピック)、米OpenAI(オープンAI)、米GitHub(ギットハブ)などが提供する生成AIサービスで、使い方に応じて費用が変わる料金体系への移行が進んでいるからだ。
料金体系変更のポイントは、各社が月額料金を据え置きながら、AIエージェントや自動化用途の利用を別枠で管理し始めていることにある。各社は「値上げ」ではないとするが、使い方によっては従来より費用負担が大幅に増える可能性がある。
アンソロピックは2026年6月15日から、同社の大規模言語モデル(LLM)「Claude(クロード)」のサブスクリプションプランに関して、AIエージェントなどの「プログラム的利用」に対して月額クレジット付与を始める。Claude CodeやClaude Cowork、チャットの利用については、これまでと同じ利用上限・使用量が適用される。人間による対話的な利用と、プログラム的利用の利用プールを分けた格好だ。
プログラム的利用に対して、Pro、Max、Team、Enterpriseの月額料金と同額のクレジットが付与される。その範囲を超えた利用については、モデルのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)料金体系に基づいて課金される。
月額クレジットの対象となるのは、(1)AIエージェント向けのツール群「Claude Agent SDK」(2)Claude Codeを非対話型で利用する「claude -pコマンド」(3)Claude CodeをGitHubと連携する「Claude Code GitHub Actions」(4)Claude Agent SDKを通じてClaudeサブスクリプションで認証するサードパーティーアプリ――の4種類だ。
アンソロピックの日本法人によると、今回の料金体系の狙いは「エージェント利用や自動化用途の拡大を受け、サブスクリプション契約者がClaude Agent SDKやサードパーティーツールも利用しやすくするためのもの。固定料金のサブスクリプション利用と、開発・自動化向けのプログラム利用との橋渡しを行う仕組みだ」という。
ユーザーへの影響について、アンソロピックの日本法人は日経クロステックの取材に対し、「Claude Agent SDKや自動化用途を大量に利用するユーザーや企業については、月額クレジットを超過した分が追加課金の対象となるため、費用負担が増える可能性がある」と説明した。一方で、「大多数のユーザーには今回の変更による影響はない」と付け加えた。
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