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2026 · 05 · 28 · 木

5/28 のアップデート

今日は、DeepMind CEOが「AGIは2029年」と具体的な年号を初めて公言した話と、日系SI大手3社がAnthropicに揃い踏みという企業導入の加速が大きいです。音楽・動画生成のマネタイズが実数で証明され、コーディングエージェントには再び10億ドル規模の資金が動きました。

A · Theme of the day

DeepMind CEO、AGIを「2029年」と公言

ハサビス氏がAGI到達を具体的な年号で初めて宣言。Co-Scientistが全米エネルギー省17研究所全てで稼働開始したことも明らかになった。

AGI、ハサビス氏が「2029年」と初めて公言

Gemini(Google)Gemini(Google)
何が起きたか

DeepMind CEO デミス・ハサビス氏が Axios インタビューで AGI の到達タイムラインを「2029年」に前倒し(他フロンティアラボCEOと比べて明確に攻めた公開目標)。残る技術的ブレークスルーは1〜2件としつつ具体名は伏せる。あわせて DeepMind のマルチエージェント「Co-Scientist」が米国エネルギー省(DOE)傘下17の国立研究所「全て」で運用開始されたことも明らかになった

以前との違い

ここ半年、フロンティアラボの各CEOは「数年以内」「思ったより早い」という言い方はしてきたが、具体的な年号を口にするのを避けてきました。OpenAIのサムアルトマン氏も「もうすぐ」とは言いつつ年号は言わない姿勢が続いていました。一方 DeepMind の Co-Scientist は複数の研究機関で試験運用が進んでいましたが、全米エネルギー省の17研究所「全て」という規模は今回初めて公開されました。

なぜ重要か

「AGIが来る」という話は業界内では前提として語られてきましたが、「2029年」という年号が大手ラボCEOから公式に出たのは実質今回が初めてです。採用・予算・中長期の技術選定を考える立場には、タイムラインが具体化したことの重みが違います。Co-Scientist の DOE 全面展開は、AIが研究インフラに組み込まれる先行事例として見ておく価値があります。逆に、日常業務で今すぐ何かが変わるかというと、誤差レベルです。

B · Theme of the day

日系SI 3社がClaude採用、企業導入が現場に届く

富士通がAnthropicと提携しNEC・日立に続いて日系大手SI 3社が揃い踏み。OpenAI×CiscoでCodexが社内エンジニアリングに組み込まれ、企業導入の最後の1マイルが埋まる動きが続く。

富士通参加で日系SI 3社がClaude体制に揃い踏み

Claude(Anthropic)Claude(Anthropic)
何が起きたか

富士通と戦略的パートナーシップを締結(5/27発表)。NEC(4/30:日本企業初のグローバルパートナー)・日立製作所(5/20:HMAX by Hitachi等)に続き、日系大手SI 3社が同時期にAnthropic連携で並ぶ「そろい踏み」体制となった

以前との違い

先月まで、NEC(4月末)と日立(5月中旬)がAnthropicとパートナーシップを結んでいましたが、「富士通は?」という空白がありました。日系SI大手の中で3社が1ヶ月のうちに一気に並ぶのは、各社の企業向けAI戦略が競争的に加速している証拠です。顧客側企業にとっては、既存のNEC/日立/富士通との取引関係を通じてClaude導入の相談窓口が増えたことを意味します。

なぜ重要か

官公庁・金融・製造業など、日系SIが主戦場とする領域の企業にとっては、Claudeの導入検討が「APIを直接叩く話」から「既存ベンダーに相談できる話」に変わってきています。稟議に書きやすくなる変化です。SI経由の導入はスピードよりも安定性優先になるため、最先端機能が使えるまでに時間がかかることもあります。自社でAPI開発できるチームには、この動きは直接的には関係薄めです。

OpenAI×Cisco:Codexで社内エンジニアリングを刷新

GPT(OpenAI)GPT(OpenAI)
何が起きたか

シスコと提携しCodexを核にエンタープライズエンジニアリングを刷新。シスコ社内でAIネイティブなソフトウェア開発をスケールさせるとともに、「AI Defense」関連の取り組みを加速し、不具合修正(リメディエーション)対応の自動化にもCodexを活用する

以前との違い

Ciscoはネットワーク機器の大手で自社ソフトウェア開発規模が膨大なため、セキュリティ対応(脆弱性修正)に多くのエンジニアリングリソースが割かれていました。ここ数ヶ月でOpenAIのCodexが個人開発者向けに普及してきましたが、エンタープライズ規模での採用事例はまだ限られていました。今回、シスコというネットワーク/セキュリティ大手が全社的に組み込む形を示したのが新しい点です。

なぜ重要か

Ciscoが社内採用事例になることで、「大規模エンタープライズでCodexが実稼働する」という前例が生まれます。セキュリティベンダーや通信企業の調達担当にとっては、社内提案の根拠として使いやすい事例です。エンジニア個人にとっては、会社がCodexを導入する流れが加速する可能性があります。自社がCisco製品のサービスパートナーなら、AI Defenseとの連携含め提案の幅が広がります。

C · Theme of the day

コーディングエージェントに巨額資金、ブラウザでも動く

Devinが10億ドル超を調達し企業価値2.5倍に。KiroはWebブラウザ版を公開し、インストール不要でコーディングエージェントを試せる入口が広がった。

Devinが10億ドル超を調達、9ヶ月で企業価値2.5倍

DevinDevin
何が起きたか

Cognitionが評価額262億ドル(プレマネー250億ドル)で10億ドル超を調達。Lux CapitalとGeneral Catalystが主導し、Ribbit Capital・Atreides・Layer Globalなどが新規参加。9ヶ月未満で企業価値が約2.5倍(前回102億ドル)に拡大し、AIコーディングエージェント市場の投資熱の象徴に

以前との違い

Devinは2025年に鳴り物入りでローンチしましたが、当初の「完全自律AIエンジニア」という触れ込みに対して実際の成功率は限定的という評価も出ていました。2026年に入りDevin 2.0でInteractive Planningなどを追加し、実用例が積み上がってきたタイミングです。前回の調達は2025年夏ごろで評価額は約100億ドル。9ヶ月で倍以上というのは異例のペースです。

なぜ重要か

これだけの調達ができたということは、大口顧客への売上がそれなりに実在するということでもあります。AIコーディングエージェントの採用判断を先送りにしているチームには「業界がそこに本格的に向かっている」シグナルとして読めます。一方で高い評価額は「期待値込み」の部分も大きく、自分が実際に使ってROIが出るかは別評価が必要です。CursorやGitHub Copilotと違い、課金が「自律作業時間」なのでコスト予測が難しい点は変わっていません。

Kiro Web、インストール不要でGitHubリポジトリを操作

Amazon Q Developer / KiroAmazon Q Developer / Kiro
何が起きたか

「Kiro Web」をプレビュー公開:インストール不要でブラウザからGitHubリポジトリを選び、自然言語指示でAIエージェントが仕様作成からコーディング・PR作成まで自律実行。既存のKiro IDE(VS Codeベース)・Kiro CLI と同じ「ステアリング」を共有し、PR上でのレビューに集中できる体験を狙う

以前との違い

KiroはこれまでVS Codeベースのデスクトップ IDEとして提供されており、まずインストールして環境構築する手順が必要でした。特に非エンジニアが一時的に試したい場合や、CI/CDの延長でブラウザから操作したいニーズに応えられていませんでした。ブラウザ版のコーディングエージェントとしては GitHub Copilot Workspaces が先行していましたが、Kiroのブラウザ版は仕様書(spec)からのフローが特徴です。

なぜ重要か

インストール不要になることで、PMやQAなど非エンジニアがエージェントにコード変更を依頼する入口が広がります。「ちょっとここのバグ直してPRを出してほしい」をブラウザから頼める時代に近づいています。ただしプレビュー段階なので安定性や複雑なリポジトリへの対応はまだ評価待ちです。AWS環境を使っていないチームには今のところメリットが限定的です。

D · Theme of the day

音楽と動画、生成AIが本格的に稼ぎ始めた

ElevenLabsがライセンス済みデータで音楽生成v2を公開しAPI料金を最大半額に。Kling AIは前年比300%増の売上で、動画生成AIが稼げるフェーズに入ったことを数字で示した。

ElevenLabs Music v2、ライセンス済みデータでAPIが半額に

ElevenLabsElevenLabs
何が起きたか

音楽生成モデル「Music v2」を公開:1曲の途中でジャンルを切り替えても作曲・ボーカルの整合を保ち、イントロ/ヴァース/サビ単位で部分再生成も可能(他セクションに影響しにくい)。学習データは全てライセンス取得済みで権利リスクを抑え、API料金は最大50%引き下げ、Suno追撃の構えで競争を本格化

以前との違い

音楽生成AIはSunoやUdioが先行しており、ElevenLabsは音声(TTS・クローン)専業という位置付けが続いていました。Music v1はリリースされたものの品質・機能面でSunoに大きく差をつけられており、「音声はElevenLabs、音楽はSuno」という棲み分けが半年以上続いていました。Sunoが著作権訴訟を抱える中、ライセンス取得済みデータは差別化要因になっていました。

なぜ重要か

API料金の最大50%引き下げは、音楽生成を組み込んでいるサービスには即コスト減になります。部分再生成(イントロだけ、サビだけ差し替え)は商業用音楽制作に近い細かい修正に対応しやすく、制作フローに組み込みやすい変化です。権利クリアのデータで学習した点は、メディア・広告業界でのライセンス運用に慎重な企業にとって追い風です。個人クリエイターが趣味で使う用途ではSunoやUdioの使いやすさはまだ高く、乗り換え動機は価格次第です。

Kling AI、前年比300%増で「動画生成が稼げる」を証明

Kling AIKling AI
何が起きたか

商用化が急加速:快手の2026年Q1決算でKling AIの四半期売上が前年比300%超増の6.5億元(約1億ドル)に拡大し、グループ全体の売上(33.7億元)を市場予想超えで牽引。AIユニットの年間経常収益(ARR)ランレートは約5億ドル規模と説明され、生成動画の収益化フェーズに突入したことを示した

以前との違い

2025年、生成動画はSora・Kling・Runwayなどが次々登場したものの、「すごいけど実際に使っているか?」という問いへの答えが出ていませんでした。「試用は多いけど継続課金に結びつかない」「品質は上がったけどワークフローに組み込むには手間がかかる」という声が多く、マネタイズの実証が業界全体の課題でした。

なぜ重要か

前年比300%増・ARR 5億ドルという数字は「動画生成AIが実際に使われてお金になっている」という最初のまとまった証拠です。SNS向け素材・広告動画など繰り返し発注が起きる現場での採用が進んでいることを示します。これはSora・Runway・Veoにも追い風で、動画生成市場全体の商業化を後押しする材料です。ただし中国企業のサービスであるため、企業のセキュリティポリシーによっては採用できない状況は変わっていません。

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