スイスの山あいの集落に、SF映画に登場しそうな高さ30mの「白い巨塔」が誕生した。荷重を支持する32本の柱を印刷して組み合わせた、世界一高い3Dプリンター建築だ。各層をらせん階段で結び、最高層に劇場を設けた。
白いタワーの名は「Tor Alva(トール・アルヴァ)」。スイス東部のグラウビュンデン州にあるムルエンス村で、2025年5月に完成した。村の人口は同年時点で12人と消滅の危機に瀕していた。スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)と地元のオリゲン文化財団は村の再生支援施設として、タワーの建設を計画した。
設計は、ドイツの建築家でコンピュテーショナルデザインの先駆者であるミハエル・ハンスマイヤー氏と、ETH Zurichのベンジャミン・ディレンブルガー教授が手掛けた。放置されていた小屋の屋根部分にコンクリートを打設して基礎とし、その上に4層のタワーを建てた。
タワーはV字形に枝分かれする32本の柱で構成している。荷重を支持する柱は全て、建設3Dプリンターで製作した。高さは基礎を含めて約30mと、3Dプリンター建築では世界一だ。各層をらせん階段で結び、最高層には劇場を設けた。
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3Dプリント柱で荷重支持する世界初の多層建築物この記事は有料会員限定です






